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平成二十年十一月二十六日提出
質問第二八〇号

定額給付金制度をめぐる政府内の混乱等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




定額給付金制度をめぐる政府内の混乱等に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第二四二号)を踏まえ、再質問する。

一 本年十月三十日、麻生太郎内閣総理大臣が新総合経済対策を発表した際に、その項目の一つとして、定額給付金制度を実施する考えを述べた。その定額給付金制度につき、「前回答弁書」で政府は「一方、家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現し、かつ、低所得者にも広く公平に行き渡らせるためには、減税方式よりも、給付方式によることがより適切であることから、『生活対策』において、定額給付金を、総額二兆円を限度に、単年度の措置として今年度内に実施することとしたところである。」、「定額給付金については、今年度内に実施することを目指して検討を進めているところである。」と答弁しているが、麻生太郎内閣総理大臣は、定額給付金制度の実施に必要な第二次補正予算を今国会には提出しないことを表明した。右は、本年中の定額給付金制度の実施は、政府としてしないことを決定したものと理解して良いか。確認を求める。
二 政府が一の答弁で言う様に、「家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現」させることを目指すのなら、早急に第二次補正予算を提出し、今国会で成立させ、年内の実施を図るべきではなかったのか。政府は定額給付金制度実施の期限を今年度内としているが、遅くとも二〇〇九年三月三十一日までに実施すると言うのでは、右答弁で言う家計への迅速な緊急支援とはならず、国民の定額給付金制度への期待も徐々に薄れ、国民心理に強く訴える景気対策とはならないのではないか。
三 政府が定額給付金制度の支給対象に、年間所得額による支給制限をするか否かの判断を各市町村に委ねることを決めた理由について、「前回答弁書」で「与党合意において、定額給付金について、給付対象となる者につき所得制限を設けるか否かを各市町村において決定することとされたところであるが、その趣旨は、所得制限を設けることを希望する市町村については、その意思を尊重することとしたものと承知しており、御指摘のような『混乱』や『不公平感』をもたらすものではないと考えている。」との答弁がなされている。互いに所得水準を把握しており、それぞれ別の市町村に住む住民を例にとると、自身の住む市町村では、自身に対して給付金は支給されなかったが、自身とほぼ同程度の所得を得ている他の市町村に住む住民は支給を受けているという様に、住む市町村によって一時的にせよ得られる所得が異なるケースが想定される。この様な場合は、給付金を得られる者、得られない者の間に不公平感が生じることもあるのではないか。
四 給付金の支給に際しての具体的業務を各市町村に委ねることを決めた理由について、「前回答弁書」で政府は「住民に身近な行政はできる限り地方公共団体が行うことが適切であり、また、定額給付金は、主として、市町村が管理する住民基本台帳に記録されている者を給付対象とすることを予定していることから、市町村がその事務を行うこととされたものである。」と答弁している。では、政府が定額給付金制度について右の決定を行う際に、各市町村に事前に相談、説明はしたか。各市町村にとっては、何の事前の相談、説明もなしに、唐突に給付金支給の具体的業務を国から押し付けられたという認識でいるのではないか。
五 「前回答弁書」で政府は「今後、地方公共団体と十分に意見交換を行い、定額給付金に係る事務が円滑に執行されるよう、適切な仕組みを早急に構築してまいりたい。」と答弁しているが、定額給付金についての適切な仕組みを、政府としていつ頃までに構築する考えでいるのか説明されたい。
六 定額給付金制度の支給対象に年間所得額による制限をかけるか否かの判断と支給の具体的業務の一切を市町村に委ねたことで、市町村には大変強い困惑、憤りがみられる。定額給付金についての政府の一連の動きには、唐突さ、拙速さがあったことは否めないと考えるが、政府の見解如何。
七 定額給付金制度がもたらす経済効果について、「前回答弁書」で政府は「定額給付金を二兆円規模で実施した場合について、『短期日本経済マクロ計量モデル(二〇〇八年版)の構造と乗数分析』(内閣府経済社会総合研究所ディスカッション・ペーパー二〇一号)の乗数を用いて推計すると、今後一年間では、実質国内総生産を〇.一パーセント程度押し上げる効果があると試算される。」と述べている。昨年度の我が国の実質国内総生産は約五百六十三兆円であったと承知するが、右答弁の内容から計算すると、定額給付金制度を実施しても、我が国の実質国内総生産が押し上げられるのはわずか五千六百三十億円程度であり、二兆円を費やす景気対策の効果としては小さすぎるのではないか。

 右質問する。



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