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平成二十一年六月九日提出
質問第五一四号

芸術・文化活動への公的助成制度に関する再質問主意書

提出者  石井郁子




芸術・文化活動への公的助成制度に関する再質問主意書


 三月三日に提出した「芸術・文化活動への公的助成制度に関する質問主意書」にたいし、三月十三日に答弁書が送付されたが、その内容は芸術団体の要望をまじめに検討したものとは言い難く、事実に反するものもある。再度、質問する。

一 文化庁の重点支援事業にかかる予算の増額の必要性を問うたのにたいし、答弁書は、「予算額が減少している」ことを認めながら、「芸術文化全体に係る支援については必要な予算が確保されている」とした。今年度の文化庁予算では、政府の決定で、日本芸術文化振興会の事業との「一元化」が行われたが、今年度の日本芸術文化振興会の採択事業の額は、昨年に比べて二二%の大幅減額となっている。文化庁の重点支援事業も日本芸術文化振興会の事業も減額となっており、「芸術文化全体に係る支援については必要な予算が確保されている」とはおよそ言い難い。この現状でもなお「必要な予算が確保されている」と認識しているのか。日本芸術文化振興会の採択事業額の昨年度と今年度の額を示し、減少理由を明らかにされたい。
二 重点支援事業は、芸術水準の向上を直接目的としたもので、他の事業のような条件が付されていないものとして特別の役割があり、文化庁の重点支援事業そのものを増額することが必要である。重点支援事業の「予算額が減少していること」に限って、政府としてどう認識しているのか。
三 先の質問主意書で重点支援事業の方式が変更になった理由を求めたのにたいして、答弁書は、文化審議会文化政策部会の「提言を踏まえ、支援の目的及び対象を明確化する観点」から改めたとしている。しかし、文化審議会文化政策部会の「提言」は、「支援の基本的在り方」として「中長期的な観点から創造活動が活性化する」ことを求めたものであり、「団体ごとに三年継続」から「公演ごとに一年単位」に変更することは、「提言」の趣旨から逆行するものである。「提言」を含め、そもそも「団体ごとに三年継続」の方式のままでは弊害があるなど、どこで、どのように問題視されたのか。
四 答弁書は、重点支援事業の助成を「自己負担金の範囲内」とすることが「必要」としているが、その理由は不明確であり、芸術団体の要望ともかけ離れたものである。
 (一) 先の質問主意書であげた日本芸術文化振興会の委託調査におけるアンケートでも「自己負担金の確保」が第一の問題点としてあげられていたが、同様に、「アートNPO活動概況調査」でも「全額助成でない(自己負担金が必要)」という設問に、「とても困っている」(三四・八%)、「やや困っている」(二四・七%)と六割が困っていると答えている。「自己負担金」枠は芸術団体にとって助成制度活用の障害になっている。こうした芸術団体の要望についてどう考えているのか。
 (二) 先の質問主意書で示したように芸術団体は、「赤字」が生まれていることを例示しているが、答弁書は「赤字」の累積を否定した。事業助成方式に変更されて以降、採択された公演事業の総数と、そのうち「黒字」になった公演はいくつあったのか、明らかにされたい。
 (三) 答弁書は、「諸外国における芸術文化に係る支援の詳細については把握していない」としている。文化芸術振興基本法にもとづく第一次基本方針では、「文化芸術に関する財政措置」として、「フランスに代表される国による支援が中心の場合と,アメリカ合衆国に代表される民間による支援が中心の場合がある」と記述しているが、諸外国での支援措置について調査研究をすすめることは国として当然である。「自己負担金」を条件としている例があるかどうかも含め、諸外国での支援の詳細について調査研究すべきだと考えるがどうか。
五 助成金の一部「前払い」の必要性について、答弁書は「検討すべき課題」としてあげ、文部科学省所管の補助金でも前例があるとしている。この例の内容を明らかにされたい。芸術・文化の作品創造には事前に資金が必要である。今日の経済危機のもと、芸術団体が制作資金を確保することはますます困難になっている。「前払い」は新たな予算上の措置も必要ない。ただちに行うべきであると考えるが、どうか。

 右質問する。



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