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平成二十一年十一月二十四日提出
質問第一〇六号

天下りの実態に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




天下りの実態に関する質問主意書


 民主党は本年八月の総選挙のマニフェストで、国家公務員の天下りを全面的に禁止する旨を明示した。また鳩山総理大臣は六月に記者会見で「天下り全廃に向け努力を傾注したい」と述べている。「天下り」の定義について野党時代の民主党は、「出身省庁のあっせんがない場合でも出身省庁との関係が疑わしければ天下りだ」と指摘していた。しかし政権交代後、日本郵政の社長や人事院総裁の人事をめぐり「天下りは府省庁が退職後の職員を企業、団体などに再就職させること」「府省庁によるあっせんを受けず、適材適所の再就職をすることは天下りに該当しない」との解釈を示しており、あっせんを受けていない再就職は天下りに該当しないというように事実上解釈を変更したものと考えられる。

一 天下りの解釈を変更した理由と、天下りの定義を明確に示していただきたい。
二 以下の人事は、野党時代の民主党による「天下り」の定義によれば「天下り」に該当すると考えられるが、政府としては「天下り」にあたると考えるか否か。あたらないというならば、その根拠を明確に示していただきたい。
 1 前内閣官房副長官補・坂篤郎氏の日本郵政副社長への起用
 2 元郵政事業庁長官・足立盛二郎氏の日本郵政副社長への起用
 3 元郵政行政局長・鍋倉眞一氏の郵便事業会社社長への起用
三 民主党はマニフェストに掲げた「天下りの根絶」を実現するため、独立行政法人の役員ポストを公募制にした。現在二十八の独立行政法人が計五十人の理事や監事を公募しているが、各法人がホームページ上で公表している募集要項を見ると、その要件は一般国民には知り得ないほどの専門知識や、行政組織との交渉能力を要求するものであり、結果的に民間人を排除しかねない。実際に公募中の役員ポストへの応募は十一月十二日現在百七人で、応募がないポストが八、一人のみのポストが十六もある。
 1 九月二十九日に閣議決定した「独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について」では「現在役員に就任している者も含め、公務員OBからの応募も認める」さらには「公募による後任者の任命までの間、現任者の再任について、本人の同意を条件に、認める」とされており、新役員決定まで暫定的に任期が延長されている現役役員も応募が可能ということになる。「天下りの根絶」の趣旨を徹底するならば、公務員OBの応募および現役役員の応募は禁止するべきであったと考えるが、禁止しなかった理由を明確に示していただきたい。
 2 今回の閣議決定は「当面の対応方針」とされているが、今後、独立行政法人の役員の扱いについてはどのような制度を構築するつもりか。政府の方針をうかがいたい。
四 厚生労働省の所管にある「高齢・障害者雇用支援機構」「雇用・能力開発機構」「労働政策研究・研修機構」の三つの独立行政法人で、厚生労働省の元幹部ら中央官庁出身者を、給与水準が公表されない嘱託職員として雇用しているという実態が明らかになった。報道によれば、一般に独立行政法人で勤務する嘱託職員の年収は三百万〜四百万円だが、官僚OBの嘱託職員の給与は役員に応じた非常に高い水準である。嘱託職員のため天下り規制の対象外になっているが、給与水準の公表も免れるなど、天下りの利権が温存されているものと考える。
 1 本件は政府の定義によると「天下り」に該当するのか、見解をうかがいたい。
 2 政府はこれまで、独立行政法人が官僚OBを高給で嘱託職員に採用している実態までは把握していなかったというが、今回の事例発覚以後、厚生労働省所管以外の独立行政法人については調査をしたのか。したのであれば、同様の事例はあったのか。また、していないのであれば、「天下りの根絶」を掲げる政府として早急に調査すべきであると考えるが、調査をしていない理由を明示していただきたい。
 3 長妻厚生労働大臣は本件について、当該天下りポストを年内に廃止すること、および、他の法人にも対象を拡げて実態調査に乗り出すことを表明したが、政府としては今後どのような対策をとっていく方針か。

 右質問する。



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