質問本文情報
平成二十二年一月二十一日提出質問第一七号
中学校における武道必修化に関する質問主意書
提出者 木村太郎
中学校における武道必修化に関する質問主意書
我が国では、青少年の育成と人間形成を図る上で、礼節を重んじる武道が貢献してきた。国技としての相撲や、今や国際スポーツに発展しオリンピックでの種目にもなった柔道、武士道という精神を受け継いできた剣道を始め、武道にも様々な種目がある。これからも、我が国がスポーツ立国を目指す上でも、武道が極めて重要と考える。その観点から、自公政権のとき、中学校学習指導要領を改訂し、中学校保健体育での武道必修化を決定した。そして、平成二十四年度より完全実施を決定し、これまで関連予算措置を含め、準備を進めてきた。しかし、政権交代による鳩山内閣での予算案を見ると、大幅な後退と受け止められる。
従って、次の事項について質問する。
二 平成二十四年度からの完全実施に向け、自公政権時の中学校武道場の整備促進を図るべく、平成二十一年度予算額として、公立中学校関係では四十億二千六百万円、私立中学校関係では七千三百万円余、また、政権を交代する前の自公による平成二十二年度概算要求では、公立中学校関係では八十二億三千八百万円、私立中学校関係では一億六千七百万円余であった。これに対し、民主党を中心とした鳩山内閣が今国会に提出する平成二十二年度予算案を見ると、公立中学校関係で三十四億三千三百万円、私立中学校関係で七千万円余となっており、自公政権時代の概算要求から見ても、公立・私立合算して比較すると、半分以下になっており、また予算が執行されている二十一年度予算よりも、大幅に削減されている。よって、その理由は何か。武道を安全且つ円滑に実施するための方針に、逆行するのではないか。
三 二に述べた予算の大幅削減を打ち出した鳩山内閣において、予定通り平成二十四年度からの、中学校における武道の必修化は完全実施出来るのか。出来ないとすれば、目標年度を変更したり、市町村や学校法人、また保護者に負担を求めることもあり得るのか。
四 平成二十二年度予算案の中で「中学校で必修となる武道等を円滑に実施出来るよう、地域の指導者・団体等の協力や地域の武道場等の活用を通じて、学校における武道等の指導の充実を図る」とあるが、予算額はいくらで、そしてその額は、中学校武道の必修化に向け、十分と考えているか。
五 生徒個人にとって武道に必要な防具や柔道着・空手着・廻し等の費用に対し、交付税措置をするとしているが、その予算は十分と考えているのか。そして、その使い方については、市町村教育委員会や学校の判断に任せるのか。つまり、市町村別や学校別によって保護者負担が発生したり、保護者負担の割合が大きく異なる可能性があるのか。
六 中学校での武道完全必修化に向け、各武道関係団体のご理解とご支援も重要と考えるが、関連予算を大幅に削減する鳩山内閣は、各武道団体へのご説明とご理解を頂く努力をすべきではないか。
右質問する。