質問本文情報
平成二十二年二月二十五日提出質問第一七二号
ミャンマーにおける邦人殺害事件に対する鳩山由紀夫内閣の取組等に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
ミャンマーにおける邦人殺害事件に対する鳩山由紀夫内閣の取組等に関する質問主意書
二〇〇七年九月、ミャンマーで民主化を求める僧侶や市民のデモをミャンマー軍事政権が鎮圧し、その際にデモの現場にいた日本人ジャーナリストの長井健司さんがミャンマー治安部隊に射殺される事件(以下、「事件」という。)が発生した。その後、我が国の警察当局と外務省が「事件」の調査のため結成したチームが一昨年二月十九日にミャンマーに派遣された際、同チームが行った司法解剖結果とビデオ画像の鑑定結果について、発砲は極めて至近距離から行われたものであるとの分析等を示しつつ説明し、ミャンマー側のこれまでの「事件」の見解の修正及び殺害された長井さんが所持していたビデオカメラについて更に捜索を行うよう求めていると承知する。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七三第六三号)を踏まえ、質問する。
二 一の我が国側の申し入れに対し、ミャンマー側は具体的にどの様な回答をしているのか説明されたい。
三 過去の質問主意書で、鳩山内閣として具体的期限を設け、ミャンマー側に対して「事件」の真相解明及び長井さんが所持していたビデオカメラの返還を求めていく考えはあるかと問うたところ、「政府答弁書」では「政府としては、ミャンマー側に対し、可能な限り速やかに日本側の申入れについての検討の結果を通知するよう更に強く求めていくとともに、その検討結果を含めたミャンマー側の対応を見極めた上で、今後の対応について検討していく考えである。」との答弁がなされている。「事件」が発生し、既に約二年半の月日が流れているものの、その真相解明及びビデオカメラの返還に向けて、事態が動く気配は一向に見られない。この様な中、鳩山内閣としても、前自民・公明政権同様、右に関しミャンマー側に対して具体的期限を設ける考えはないということか。明確な答弁を求める。
四 「政府答弁書」では、我が国のミャンマーに対する支援につき、「政府としては、ミャンマーにおける来年の総選挙(以下「来年の総選挙」という。)にすべての関係者が参加できるように民主化プロセスが進展すること、並びに、ミャンマーの民主化プロセスにおいて、ミャンマー政府とアウン・サン・スー・チー女史を含む国民民主連盟との実質的な対話が進展すること並びに来年の総選挙までにアウン・サン・スー・チー女史及びその他の政治犯が釈放されることが極めて重要であると認識している。こうした考えに基づき、平成二十一年十一月七日に行われた日ミャンマー首脳会談において、鳩山由紀夫内閣総理大臣からテイン・セイン・ミャンマー首相に対し、来年の総選挙が日本政府の期待する方向で行われれば、様々な支援を強化することができる旨伝えたところである。」との答弁がなされている。しかし、邦人の尊い命が失われたという重い事実、そしてそれに対して何ら誠意ある態度が見えず、更にアウン・サン・スー・チー氏を未だ軟禁状態におき、軍事独裁体制を敷いているという同国の実情を鑑みる時、我が国としていかなる支援もすべきでないという意見を多くの国民が有していると思料する。右につき、鳩山内閣はどの様な見解を有しているか説明されたい。
右質問する。