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平成二十二年五月二十一日提出
質問第四九五号

有害生物・野生鳥獣被害等に関する質問主意書

提出者  江渡聡徳




有害生物・野生鳥獣被害等に関する質問主意書


 日本の基幹産業である農林水産業は、地方にとっての生活基盤であり、日本の自給率はもとより、国民の食卓に安心、安全な食品を提供する上でも重要な産業である。
 しかし、近年の経済不況に加え、地方財政を支えてきた公共事業が、新政権によるマニフェスト実現の財源確保のために見直しとなり、より一層、地方経済を疲弊させ、地方自治体の財政をも脆弱化させている。
 その様な中において、農業、水産業に多大なる影響をおよぼす野生鳥獣及び有害生物の大型クラゲ、トド等の被害が深刻な状況となっている。本州最北端の津軽海峡に面し漁業を基幹産業とした人口二千五百人余りの青森県佐井村においては、大型クラゲの被害として、平成二十一年七月から平成二十二年二月までにおいて、七千九百十九万千円、トド被害については、平成十八年から平成二十一年までの四年間において、一億千八百六十三万六千円となっている。更に、猿、熊、カモシカなどの野生鳥獣による被害も、平成十九年度から平成二十一年度において八百二万四千円となっており、大型クラゲ及びトド等、有害生物及び野生鳥獣による被害総額は、二億五百八十五万千円に上っている。
 今後も被害の増大が予想され、農林水産業者の生活基盤が脅かされるとともに、地域経済に大きな打撃となると予想される。
 このことから、国としてより一層の抜本的かつ速やかな対応、発生原因の徹底追及などのシステムの構築と対策が必要であると考える。
 これらを踏まえ、次の事項について質問する。

一 大型クラゲの国際的な発生原因の究明と根絶が急務であるが、日中韓による大型クラゲ国際共同調査はどこまで進んでいるのか。また、発生原因の究明、具体的な根絶方法は見出されているのか。
二 農作物被害対策の鳥獣被害防止総合対策交付金の事業実施主体が地方公共団体であるのに対し、有害生物漁業被害防止総合対策事業の実施主体は民間団体で、約十九億円の対策費が計上されている。地方公共団体における大型クラゲ、トド等の有害生物漁業被害対策費の負担が増大してきている現状に対し、国は、市町村への交付金制度を充実させるべきと思うが、どのように考えているのか。
三 トド被害対策としてのトド採捕について、現在、青森県佐井村においては四頭を上限とする駆除対策がなされている。国として、トド被害について、実際の被害状況を調査、把握し、被害地域に対する採捕頭数の対策等について各関係団体と協議を行っているのか。また、採捕頭数を増やすべく要望には速やかな対応ができるのか。
四 ニホンザルの被害対策について、二〇〇九年度における青森県下北半島に生息するニホンザル一斉調査では、五十一群(約一千八百六十一頭)であり、毎年増頭傾向にある。(地元の方々の話では、下北半島に生息する猿は二千頭を超えるとのこと。)その中において第二次特定鳥獣保護管理計画に基づいて実施されているニホンザルの捕獲は、被害レベルの高い群れの増加率から算定される個体調整(いわゆる、まびき)で実施されている。しかし被害拡大の抑制につながるか疑問であり、抜本的な問題解決にはなっていないのが現状である。このことから、国として群れ捕獲を含めた有効的な捕獲方法を検討しているのか。また、第三次特定鳥獣保護管理計画において、どのような対策を考えているのか。
五 現在、青森県庁内におけるニホンザル被害対策に関する担当部署は、自然保護課、文化財保護課、食の安全安心推進課と多岐に分かれており、このことが被害の情報収集や被害対策の遅れにつながっていることが予想される。国として、被害地域の県庁内にニホンザル被害対策室として一元化するべく指導する考えはないのか。
六 ニホンザル被害対策として、効果が期待され、全国的に普及が進んでいるモンキードッグの導入について、国として今後促進するための支援策は考えているのか。

 右質問する。



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