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平成二十二年六月十一日提出
質問第五七二号

かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に係る外務省の調査に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に係る外務省の調査に関する再質問主意書


 かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされている、旧ソ連時代、一九八九年頃まで、在モスクワ日本国大使館で任国の法令に違反する形で大使館員の私用車をルーブルで売却し、外貨に換金する裏金組織「ルーブル委員会」に関し、昨年十一月十日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一七三第三七号。以下、「政府答弁書一」という。)では「鳩山内閣発足後、外務省において、現在も外務省に勤務する関係者から改めて聞き取り調査を行った結果、『ルーブル委員会』という正式な組織の存在が確認されたわけではないが、両替が規制されていたソヴィエト社会主義共和国連邦時代の特殊な制度の下で、在モスクワ日本国大使館の一部の館員間でルーブルと外貨を必要に迫られて融通し合ったとの事実があったことが確認された。なお、これは、基本的には、同大使館を離任する館員が、手元に残ったルーブルを外貨に両替することが当時極めて困難であったため、必要に迫られて、互助的に館員間でルーブルと外貨を融通し合うというものであったが、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代の末期には消滅したようである。御指摘の三名の外務省職員を含む関係者からの聞き取り調査を通じ、以上のことが把握されたものの、約二十年以上前のことであり、関係者の記憶もあいまいであり、相反するものもあったため、本件に関しこれ以上確定的に申し上げることは困難である。」との答弁がなされている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七四第五三三号)及び「政府答弁書二」(内閣衆質一七四第四九〇号)を踏まえ、再質問する。

一 過去の質問主意書で、これまで累次に渡り触れている様に、鳩山由紀夫内閣発足以前にも、「ルーブル委員会」に関する調査が外務省において行われているものの、「政府答弁書一」にある事実は確認されていなかった。右につき、当初の調査が徹底した十分なものでなく、「ルーブル委員会」の事実関係が明らかにされなかったことは、国民に対し、正直でなく、嘘をつき、また閣僚をも騙してきたことに等しいのではないか等と問うたところ、「政府答弁書二」では「先の答弁書(平成二十一年十一月十日内閣衆質一七三第三七号)一から三までについてで答弁した、鳩山内閣発足後に明らかにされた事実関係は、当初の調査を通じて明らかにされてしかるべきであったと考える。その意味で当初の調査を含む鳩山内閣発足前の対応は、徹底した十分なものであったとは言えないと認識している。他方、本件については約二十年以上前のことであり、鳩山内閣発足後、外務省が実施した聞き取り調査において、関係者の記憶もあいまいであり、相反するものもあったことにかんがみ、現時点でこれ以上の対応をとる考えはない。」との答弁がなされている。前回質問主意書で、右答弁には「関係者の記憶もあいまいであり、相反するものもあった」とあるが、岡田克也外務大臣として、当初の調査が行われた際、対象となった外務省職員が意図的に事実を述べなかった、または嘘をついていたとは考えないのかと問うたところ、「前回答弁書」では「本件については約二十年以上前のことであり、鳩山内閣発足後、外務省が実施した聞き取り調査において、関係者の記憶もあいまいであり、相反するものもあったところであり、御質問のように、『当初の調査が行われた際、対象となった外務省職員が意図的に事実を述べなかった、または嘘をついていた』との認識は有していない。」との答弁がなされている。しかし、かつて同省の主任分析官を務めた作家の佐藤優氏は、「政府答弁書一」にある、またそれ以上に裏金を作るという悪しき慣行が過去にあったことを公の場で累次に渡り指摘している。佐藤氏が明確に記憶していたのにも関わらず、原田親仁元外務省欧州局長はじめ関係者は、当時の記憶があいまいであったとするのは、説得力に欠けるのではないか。
二 「ルーブル委員会」についての事実関係が、当初の調査では明らかにならず、鳩山内閣発足後に岡田大臣の指揮の下行われた調査によって明らかになったのはなぜか。岡田大臣として、当初の調査は、どの様な点で不十分であり、徹底したものではなかったと認識しているか。
三 前回質問主意書で、「ルーブル委員会」に関する当初の調査が徹底した十分なものではなく、その事実関係が国民に明らかにされなかったのはなぜか、外務大臣は当初の調査を担当した外務省職員について、その理由を問い質したことはあるかと再度問うたところ、「前回答弁書」では「当初の調査を担当した外務省職員に何らかの瑕疵があったとの認識は有しておらず、御質問の『理由』も確認していない。」との答弁がなされている。結果として、当初の調査では「ルーブル委員会」について「政府答弁書一」にある事実関係が確認されなかったことは事実である。そうであるのにも関わらず、なぜ当初の調査を担当した同省職員に瑕疵はないと言えるのか。事実関係を明らかにするという結果を出すことができなかった以上、瑕疵があると言わざるを得ないのではないか。
四 嘘をつく者に良い外交はできない。「前回答弁書」にある岡田大臣の認識は、嘘をついた外務省職員をかばうものであり、到底国民の理解を得られるものではないと考えるが、岡田大臣の見解如何。

 右質問する。



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