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平成二十三年五月六日提出
質問第一六三号

東日本大震災発生を受けたいわゆる「復興外交」に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




東日本大震災発生を受けたいわゆる「復興外交」に関する質問主意書


 三月十一日午後二時四十六分、宮城県牡鹿半島の東南東約百三十キロメートルを震源地とするマグニチュード九.〇の大地震が発生した。それに伴う巨大津波により、特に岩手、宮城、福島の三県の沿岸部では甚大な被害が発生し、一九九五年の阪神・淡路大震災を超える死者が出て、更には、津波により冷却機能が破壊された東京電力福島第一原発では、一号機から四号機まで炉心が融解し、多量の放射線が発生する事態が生じ、大熊町はじめ同原発から半径二十キロメートル圏内の地域は警戒区域とされ、住民は強制退避を余儀なくされている。右を踏まえ、質問する。

一 東日本大震災発生を受けて、松本剛明外務大臣はいわゆる「復興外交」なるものを提唱していると承知するが、右の詳細な内容につき説明されたい。
二 東日本大震災発生後、世界各地より百四十カ国を超える国・地域から、我が国に対して心温まる数多くの多岐に渡る支援が寄せられている。それに対し、本年四月十二日、菅直人内閣総理大臣はインターナショナル・ヘラルド・トリビューンはじめ世界各国の七紙に感謝広告を出している。右に関し、同月二十一日の衆議院安全保障委員会で、松本大臣は、
 「まず、御質問でありますが、総理メッセージを掲載した七紙についての掲載費用は、概算で三千五百万というふうに承知をいたしております。
 その際も、外務委員会でも御答弁をさせていただきましたが、七紙のうち、英字紙三紙はいわゆるワールドワイド版ということで、日本語で申し上げれば国際版というんでしょうか、掲載させていただきました。
 そもそも、やはり広告そのものは有料であるということから、復興等に少しでも予算を振り向けていこうという今の状況の中で、私がぎりぎりと申し上げたのは、今我が国が持っているお金がぎりぎりという意味ではなくて、国民の理解を得られる範囲で、なおかつ最も効果的な形でということで、私どもとしては、国際社会への広告効果や近隣の国であるということなど、我が国との関係を総合的に勘案して、御存じの七紙に掲載することにしたものであります。
 なお、私どもとしては、このメッセージを在外公館からメディアに情報提供する形で掲載していただくとか、もちろん各国政府に対しても大使を通じて謝意のメッセージを届けているわけでありますが、各国のメディアの御協力もいただきまして、私どもが確認をしているところでは、四月の二十日、きのうの夕方のところで、五十六カ国・地域の百九十一紙に無料で新聞広告が掲載または記事として内容が紹介をされるという形になっておりまして、謝意を広く伝える一定の効果があったのではないかというふうに考えております。」
との答弁をしている。松本大臣は「謝意を広く伝える一定の効果があったのではないか」と述べているが、自国の国名が明記された感謝広告が出ていないとの不満が世界各国から寄せられたという事実はないか。確認を求める。
三 二の答弁に対し、本年四月二十一日の衆議院安全保障委員会で、感謝広告というものは、大手の媒体に出し、それが波及していくことを期待するのではなく、全ての国・地域に対し、一つも漏らすことなく現地の言語を用いたものを出すべきであり、予算に制限があるのなら、外務省の各在外公館において使用が認められている報償費、いわゆる機密費を用いた上で、一日も早く右の措置を取るべきだと当方が質問したところ、松本大臣は、
 「大臣として、省内のことについては、会計上のことも含めて掌握をしている、私自身はそういう認識で行っております。
 今お話をさせていただきましたように、当然、各国の大使館においては、各国の現地の言葉でホームページに掲載をする、また各国のメディアにも、各国のそれぞれの言葉で、記事でありますから、多くの国民がごらんになるような形でごらんいただくということで、広く謝意は伝わっているものと思っております。
 報償費については、これも国民の税金でありますので、その目的などは報償費にふさわしい目的で使うことが適当だというふうに思っておりますし、いずれにせよ、国民の税金をどのように有効に活用するかという視点は心がけた上で、私自身として判断をしているところでございます。」
との答弁をしている。現時点に至るまで外務省として、我が国に対し支援の手を差し伸べてくれた全ての国・地域に対し、一つも漏らすことなく現地の言語を用いて、支援に対する感謝と同時に、福島第一原発事故により多大な心配と迷惑をかけていることについての謝罪の広告を出しているか。確認を求める。
四 四月末から五月初めにかけての大型連休を利用し、松本大臣はじめ外務省政務三役は諸外国を訪問していると承知する。外務省HP等によると、松本大臣は四月二十九日から五月四日にかけて米国、ドイツ、セネガル、ベルギー、イギリスを、伴野豊外務副大臣は五月四日から十一日にかけてロシア、エストニア、リトアニア、ポーランドを、高橋千秋外務副大臣は四月二十九日から五月四日にかけてイタリア、セネガル、米国を、菊田真紀子外務大臣政務官は五月二日から八日にかけてスリランカ、ブルネイ、ブータンを、徳永久志外務大臣政務官は五月三日から九日にかけてアルメニア、アゼルバイジャン、エジプトを、それぞれ訪問し、または訪問する予定でいると承知する。右の政務三役の訪問国は、どのような理由により決められたのか説明されたい。
五 四月四日から十一日にかけ、福島第一原発から低レベル汚染水の海中への放出作業がなされた。右は諸外国、特に我が国に最も近く隣接し、海洋汚染の影響を直接被る韓国や中国、ロシア等の隣国に対し、適切な説明がなされることなく実施され、我が国に対する諸外国の不信を助長させたものと考える。四の訪問国の中に、韓国や中国が含まれておらず、また我が国にとって安全保障上も経済上も密接な関係にあるインドも含まれていないが、右はなぜか。
六 松本大臣が提唱する「復興外交」は、我が国の国益に資する形で展開されているか。松本大臣の見解如何。

 右質問する。



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