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平成二十三年八月二十九日提出
質問第四三八号

東日本大震災により被災した民間医療機関への公的支援に関する質問主意書

提出者  秋葉賢也




東日本大震災により被災した民間医療機関への公的支援に関する質問主意書


 東日本大震災では多くの医療機関が被災した。被害の大きい岩手、宮城、福島の三県においては、建物が全壊、又は一部が損壊した病院は三百、医科と歯科を合わせた診療所では実に千百七十四にも達した。政府においては、医療機関の災害復旧に係る国庫補助率の引上げ等を行ったが、その対象となる医療機関は、公的医療機関又は救急医療等の政策医療を担う一部の民間医療機関に限定されており、地域医療を担ってきたこれら多くの民間医療機関の再建は大きく遅れている状況にある。言うまでもなく、地域医療、特に日常的な診療機能は、診療所を中心とした民間医療機関に支えられており、このような医療機関の再建の遅れは、被災地の復旧・復興の遅れにつながると危惧するところである。そこで、以下の点につき、質問する。

一 岩手県の医療機関の被害金額は三百三十三億円、うち、民間医療機関の被害は百二十六億円と報道されている。東日本大震災により被災した民間医療機関の再建に向けた国の財政支援策については、既存の「医療施設近代化施設整備事業」により、費用の三分の一の国庫補助が行われているに過ぎず、十分と言えるのか疑問も生じる。岩手、宮城、福島の三県における民間医療機関の被害金額を示されたい。また、三県で被災した民間医療機関に対する支援の強化が必要と考えるが、国庫補助の積み上げの正確な金額を明らかにされたい。
二 阪神・淡路大震災の復旧・復興における教訓として、地域医療を担う民間医療機関に対する支援が十分でなかったと指摘する意見がある。被災地の地域医療を確保するため、民間医療機関を対象に、これまでにない大規模な財政支援策を講じるべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。また、「医療施設近代化施設整備事業」の補助対象を明らかにされた上で、要件を緩和し、被災地については全ての民間医療機関に対して国庫補助が実施されるようにすべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 岩手、宮城、福島の三県に対しては、「地域医療再生臨時特例交付金」の上限額である百二十億円を交付することとしているが、岩手県においては、このうちの基礎額といわれる十五億円を活用し、診療所の再建費用等に対して助成すると承知している。被災地の民間医療機関を対象とした助成制度として活用するため、基礎額といわれる部分だけではなく、地域医療再生臨時特例交付金の百二十億円全体の弾力的運用を可能とすべきと考えるがどうか。また、被害が大きい三県に対する地域医療再生臨時特例交付金を拡充することについて、政府の見解を伺いたい。
四 今回の津波被害では、医師を始めとした多くの医療従事者が被災した。津波被害の大きかった沿岸部は、元々、医師、看護師等の医療従事者が不足し、医療過疎と言われる地域もある。今回の震災を機に、被災地から医療従事者が流出し、医療過疎に拍車がかかることが懸念されるところである。現在、雇用保険の失業等給付の特例措置などにより、支援を受けている医療従事者もいると承知しているが、流出防止策としては十分とは言えない。被災地の地域医療を確保していくため、医療従事者への生活支援策や雇用の確保策の充実が求められているが、政府の取組状況及び今後の拡充策について伺いたい。
五 平成二十三年八月二十四日に開催された中央社会保険医療協議会で、大塚厚生労働副大臣から、「平成二十四年度診療報酬改定において、被災地の医療機関に対して特別に加算する措置を講じる、これにより患者の一部負担金も上昇するが、災害救助法等のスキームを活用し、公費などで負担を軽減する」との提案があったと報道されている。その事実関係と、提案内容の詳細を明らかにされたい。また、災害救助法のスキームを活用した公費の投入の法的な問題点の有無について政府の見解を伺いたい。

 右質問する。



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