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平成二十三年十一月十八日提出
質問第六〇号

枝野幸男経済産業大臣がロン・カーク米国通商代表と会談する際の参考資料として経済産業省が作成した書類に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




枝野幸男経済産業大臣がロン・カーク米国通商代表と会談する際の参考資料として経済産業省が作成した書類に関する質問主意書


 本年十一月十三日、同月十一日に枝野幸男経済産業大臣が米国のロン・カーク通商代表と会談する際に参考資料として活用したとされる書類(以下、「書類」とする。)の映像が、あるテレビ局の報道番組により報道され、その内容が明らかになっている。「※米国 ロン・カーク通商代表 TPPについて」という題で始まる「書類」の内容は、以下のとおりである。
 「●TPPについて、国民的な議論の末、日本を発つ直前に、野田政権として交渉参加を決断した。
 ●震災復興が最優先される中、なぜ今決断するのか、との議論もあったが、TPPへの参加は、日本自身の利益であると判断した。
 ●第一に、TPPを、アジア太平洋全域を高いルールでカバーする地域秩序に育てること、そのプロセスに自ら関与することが、日本の国益である。
 ●第二に、高いレベルの自由化という試練を乗り越えることが、日本自身の成長力を高めることにつながる。
 ●日本は、非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする用意がある。交渉の中でしっかり議論していきたい。
 ●交渉に正式に参加するには、各国の承認が必要だと承知している。特に貴国との協議を精力的に進めて、出来るだけ早く交渉に参加したい。今後の具体的な進め方について伺いたい。」
 右を踏まえ、質問する。

一 「書類」は誰の指示の下、誰の名によって決裁され、誰によって作成されたのか。それぞれの官職氏名を全て明らかにされたい。
二 前文で触れたように、「書類」の最初の黒丸には「TPPについて、国民的な議論の末、日本を発つ直前に、野田政権として交渉参加を決断した。」とある。野田佳彦内閣総理大臣が、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加を決断したという事実はあるか。
三 前文で触れたように、「書類」の五つ目の黒丸には「日本は、非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする用意がある。交渉の中でしっかり議論していきたい」とある。我が国として、TPP交渉参加に臨んだ場合、非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする考えでいるのか。
四 二と三で指摘した点を含め、「書類」の内容は事実を正確に反映したものでは全くないと考えるが、政府の見解如何。
五 政府、特に経産省として、事実を正確に反映したものではない「書類」を作成し、枝野大臣に渡したのはなぜか。
六 経産省として、意図的に事実を正確に反映していない「書類」を作成したのか。それとも、何らかの不注意によるものか。
七 六で、意図的に「書類」を作成したのなら、その目的は何か明らかにされたい。
八 六で、何らかの不注意によるものであるならば、それはどのようなものか明らかにされたい。
九 枝野大臣は、カーク代表との会談の際、「書類」に基づいた発言を行っているか。明確に答えられたい。
十 どのような理由によれども、「書類」が作成され、それが枝野大臣に手渡されたことは、国内外に不信感を広め、我が国の国益を大きく損ねることになったと考えるが、今回の件に関し、枝野大臣としてどのような対処をとる考えでいるのか明らかにされたい。

 右質問する。



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