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平成二十五年十月二十五日提出
質問第三四号

一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する質問主意書

提出者  鈴木貴子




一九六〇年の日米安全保障条約改定時における核持ち込みに係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する質問主意書


 二〇〇九年九月十六日、当時の鳩山由紀夫内閣における岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。

@ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約
 そして二〇一〇年三月九日、岡田大臣は、「委員会」の調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。
 「報告書」には、@に関し、以下の記述がなされている。
第二章 核搭載艦船の一時寄港
(中略)
(四)結論
 (イ) 日米両国間には核搭載艦船の寄港が事前協議の対象か否かにつき明確な合意はない。他方、この問題の「処理」については合意がないわけではない。
 (ロ) 日本政府は、米国政府の解釈に同意しなかったが、米側にその解釈を改めるよう働き掛けることもなく、核搭載艦船が事前協議なしに寄港することを事実上黙認した。日米間には、この問題を深追いすることで同盟の運営に障害が生じることを避けようとする「暗黙の合意」が存在した。
 (ハ) 序論における密約の定義によれば、日米両政府間には、安保改定時に姿を現し、その後一九六〇年代に固まった、「暗黙の合意」という広義の密約が存在。
 (ニ) 日本政府の説明は、嘘を含む不正直なもの。民主主義の原則から、本来あってはならない。ただしその責任と反省は、冷戦という国際環境と国民の反核感情との間の容易ならざる調整を踏まえるべき。
 (ホ) 今回の調査で利用できた外務省文書の量と質はこの問題の構造を大まかにつかむのに十分なもの。それでも重要部分に欠陥があり、解明できないところが残った。そうなった経緯に関する事情調査と重要文書の管理に対する深刻な反省が必要。
 右を踏まえ、以下質問する。
一 前文で触れた、@の密約に関する「報告書」の内容に対する安倍晋三内閣の認識如何。右は事実を反映したものであると認識しているか。
二 安倍内閣としても、@の密約はあったと認識しているか。
三 「委員会」としても、外務省、政府としても、@の密約があったことを明確に認めている。しかし、過去に鈴木宗男元衆議院議員が提出した質問主意書に対する政府答弁書では、@の密約の存在を明確に否定し、福田康夫、麻生太郎各内閣においては、@の密約はなかったとの虚偽の答弁が繰り返されてきた。例えば内閣衆質一七一第六一二号の政府答弁書には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の下での核兵器の持込みに関する事前協議制度についての日米間の合意は、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解がすべてであり、秘密であると否とを問わずこの他に何らかの取決めがあるという事実はない。」とある。かつて自民党政権が、右のように虚偽の答弁をし、国民に嘘をついていたことに関し、安倍内閣としてどのような認識を有しているか。
四 安倍内閣として、「報告書」の内容を踏まえ、今後@の密約に関し追加的な調査を行い、国民に更なる情報開示を図る考えはあるか。
五 「報告書」には「それでも重要部分に欠陥があり、解明できないところが残った。そうなった経緯に関する事情調査と重要文書の管理に対する深刻な反省が必要。」との指摘がなされている。安倍内閣において、右の指摘は教訓としてどのように活かされているのか説明されたい。

 右質問する。



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