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平成二十六年一月二十四日提出
質問第五号

東京電力の再建計画に対する政府の認識に関する質問主意書

提出者  鈴木貴子




東京電力の再建計画に対する政府の認識に関する質問主意書


 本年一月十五日、政府は東京電力の新たな総合特別事業計画を認定した。
 右を踏まえ、質問する。

一 東電の再建計画は、被災した方々への賠償金や除染、廃炉研究、廃炉作業、凍土壁建設に係る費用を政府が援助すべく最大九兆円を貸し付け、国費、つまり税金により救済する余地を増やす一方で、その返済には企業、家庭への電気料金を値上げして得た利益を充てる等、東電自身の負担を減らす内容であると承知するが、東電に注入される国費の総額をはじめ、改めてその内容を説明されたい。
二 再建計画は、東電が現在停止中の新潟県柏崎刈羽原発の一、五、六、七号機を再稼働することを前提としたものであると承知する。二〇一一年三月十一日の東日本大震災により発生した福島第一原発事故の原因究明、被災民への賠償等、その検証並びに総括は未だ完遂していない。そのような中で、当事者である東電が別の原発を再稼働することを前提として作成した再建計画を、政府として認定した理由は何か。
三 本年一月二十三日、東京都知事選挙が告示された。候補者の中には、原発を即時ゼロにすることを訴える者もいるが、脱原発を掲げる候補者が、東電の株主でもある東京都の新たな都知事となった場合、原発再稼働を前提とした東電の再建計画は立ち行かなくなるのではないのか。政府の認識如何。
四 各種報道によると、東電社員の平均年収は、二〇一一年の東日本大震災並びに福島第一原発事故が起きる前は六百五十三万円であり、その後管理職で三〇%、一般職員で二〇%がカットされているとのことであるが、政府として右の事情を詳細に把握しているか。
五 四の東電社員の平均年収は、カットされた後でも日本国民全体の平均年収と比較して高い水準にあると考えるが、政府の見解如何。
六 再建計画によると、東電としてコスト削減が予想を上回った場合、社員の年収を上げる仕組みを導入することを盛り込んでいるとのことである。またその一方で、柏崎刈羽原発の再稼働が遅れた場合は、企業、家庭向けの電気料金を上げ、一般の負担を増やすことも盛り込まれていると承知する。右は、東電が自ら身を切る努力が十分でないのに、他に負担を転嫁するという無責任なものであると考えるが、政府の見解如何。
七 本年一月一日の新聞報道では、東電が海外の発電事業に投資して得た利益を、免税制度のあるオランダに移して我が国政府への納税を回避し、その利益約二百十億円を蓄積していたことを報じている。また右は震災後も続けられていたとのことであるが、政府としてその実情を把握しているか。
八 税金による支援を受ける東電は、七で触れたように多額の租税回避を行い、利益を外国に蓄積している。その東電に対し、二〇一二年、政府は原子力損害賠償支援機構を通じ、一兆円の税金を投入して東電の株式を取得している。今回の再建計画でも、多額の税金が投入される予定となっている。右は、国民の理解を得られるものではないと考えるが、政府の見解如何。
九 福島第一原発事故の検証並びに総括もなされていない中で原発再稼働を想定し、社員の平均年収カット等、自身が身を切る努力も不十分であり、更には多額の租税回避がなされている実態もある東電の現状を鑑みる時、今回の再建計画はあまりにも甘く、それを政府が認めたことは国民の理解を得られるものではないのではないか。政府の認識如何。

 右質問する。



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