衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十六年六月十七日提出
質問第二三〇号

「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に係る取組の推進に関する質問主意書

提出者  玉木雄一郎




「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に係る取組の推進に関する質問主意書


 厚生労働省は、「日本再興戦略」の一環として、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年に向けて健康寿命延伸による持続可能な社会保障制度作りを目指す、「『国民の健康寿命が延伸する社会』に向けた予防・健康管理に係る取組の推進」を平成二十五年八月に策定・公表している。これは、予防・健康管理に係る具体的な取組を推進することにより、平成三十七年に五兆円規模の医療費・介護費の効果額を目指すものである。五兆円のうち、単体としては「後発医薬品の使用促進」(約一・〇兆円)、「高齢者の肺炎予防の推進」(約八千億円)、「介護・医療情報の『見える化』等を通じた介護予防等の更なる推進」(約六千億円)等が効果額の大きいものとして掲げられている。
 第一に、医療費の持続性確保の観点から、これまで長きに亘り「後発医薬品の使用促進」の重要性が認識され、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」(平成十九年十月十五日、厚生労働省)では、政府として後発医薬品の数量シェアを平成二十四年三月末までに三十%以上にするとの目標値を定めてきたにもかかわらず、平成二十五年三月末においてもその目標に到達していない。こうした事態を受けて策定された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」(平成二十五年四月五日、同。以下「ロードマップ」という。)では、政府として後発医薬品の数量シェアを平成三十年三月末までに六十%以上にするとの目標値が改めて明確に設定されていると承知している。
 第二に、「認知症早期支援体制の強化」の効果額として、「早期支援体制の構築」による約一千億円が目標に掲げられている。列車にはねられて亡くなった認知症患者の遺族に対する列車遅延の損害賠償を争った本年四月二十四日の名古屋高裁における控訴審判決は、社会に衝撃を与えており、改めて認知症対策の強化が必要であると痛感される。全国で所謂「予備軍」も含めた認知症対策の対象者数が数百万人単位に上ることがわかっている以上、早期支援体制の構築だけでは施策として不十分である。例えば、早期の発見による重度化の防止や介護を担う家族・現役世代に対する周知など、早期発見策と予防策を推進することで、医療費だけでなく介護費と合わせた合理化がもたらされると考えられる。
 厚生労働省が、持続可能な社会保障制度の確立に向けて具体的な数値目標を掲げたことは、前向きに評価したい。他方で、平成三十七年度までの間に想定される医療・介護費の増加ペースや財政健全化への取組の重要性に鑑みると、効果額は五兆円にとどまらず、具体的施策の前倒し実施や更に大胆な施策を通じて、より高い目標を掲げていくべきと考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 予防・健康管理に係る取組のより一層の推進に向けて、厚生労働省ではどのような検討が行われているのか。
二 五兆円の効果額の太宗を占めるものとして、「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進」、「特定健診・特定保健指導等を通じた生活習慣病予防の推進」、「たばこをやめたい人を支援するたばこ対策の推進」の各取組については、合計として約二・四兆円という目標が掲げられているが、その内訳如何。
三 日本の後発医薬品シェアが諸外国の水準と比べて著しく低くとどまる中で、平成三十七年までの効果額一・〇兆円と、ロードマップに掲げられた取組との関係如何。厚生労働省として平成三十七年を見据え、これまでに増して具体的にどのような道筋が検討されているのか。
四 「高齢者の肺炎予防の推進」の観点から、市中肺炎や誤嚥性肺炎予防により高い効果があるとされる成人用肺炎球菌ワクチンを定期接種の対象とするための厚生労働省における検討状況如何。
五 認知症の早期発見と予防に向けた実効性のある具体策について、厚生労働省における検討状況如何。既に実施しているものがあれば、その実施状況についても答弁されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.