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平成二十八年一月七日提出
質問第二三号

宜野湾市内へのディズニーリゾート誘致構想等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




宜野湾市内へのディズニーリゾート誘致構想等に関する質問主意書


 沖縄のみならず全国が注目する宜野湾市長選挙が、二〇一六年一月二十四日に投開票される。今のところ、現職と新人の志村恵一郎氏が立候補を表明しており、おそらく両人による一騎打ちとなるであろう。
 さて、同市長選挙を目前にして、現市長が昨年十二月八日、菅義偉官房長官との会談の席上、宜野湾市内へのディズニーリゾート誘致や米軍普天間飛行場(以下、普天間基地という)を二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック(以下、二〇二〇年東京五輪という)聖火リレーのメインルートとして検討すること等を要請している。かかる要請、とりわけディズニーリゾート誘致の実現について、菅官房長官は「政府として全力で実現できるように取り組む」と応じたようだ。
 私は、かかるディズニーリゾート誘致構想の実現可能性は全くなく、目前に迫った市長選挙を有利に運ばんとする現市長が、有権者たる市民の歓心を得る目的で打ち上げた単なる「お笑い政策」だと断ずるものである。
 現に、かかるディズニーリゾート誘致構想について、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんは、昨年十二月十三日のテレビ番組で「うそでしょ。こんなことは、実際できると思っていない。偽物のニンジンをぶら下げて、みんなの気持ちをそっちに誘導しようとしているだけ」(二〇一五年十二月十五日付「琉球新報」)と持論を展開したようである。
 同様に、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんは、同日の別のテレビ番組で「普天間飛行場の危険除去はするべきだし、辺野古移設は反対だ」(同「琉球新報」)と述べた上で、誘致を後押しする政府の姿勢に「見方を変えると弱みにつけ込んできたと僕には思える。足元を見やがって、と」(二〇一五年十二月十五日付「沖縄タイムス」)と指摘したようだ。
 これらの発言に照らせば、私がディズニーリゾート誘致構想を「お笑い政策」だと強く批判するのも十分に理解していただけよう。
 沖縄の民意は、紛れもなく辺野古新基地建設に反対である。かかる民意と二〇一三年一月二十八日に沖縄側から安倍晋三総理大臣宛に提出された「建白書」の理念を尊重し、政府は「世界一危険な」普天間基地を沖縄県内に移設することなく、即時閉鎖・撤去すべきだ。
 同時に、普天間基地返還後の跡利用は、地権者の権利を損なうことなく、行政と市民各層が一体となって策定する跡利用計画に即したものでなければならない。有権者たる市民の鼻先に「偽物のニンジン」をぶら下げるに等しい、現市長の独断によるディズニーリゾート誘致など、到底許されるものではない。
 二〇一四年一月の名護市長選挙で、投開票三日前に現地入りした石破茂・自民党幹事長(当時)が五百億円の「名護振興基金」構想を打ち上げたものの、支援する候補者が落選するや構想が雲散霧消したことは、未だ記憶に新しい。
 宜野湾市長選挙が迫る中、突如明らかになった今回のディズニーリゾート誘致構想も右「名護振興基金」構想と同じだ。有権者の歓心を買うために現市長と菅官房長官が一緒になって大風呂敷を広げているだけで、その実現可能性は極めて乏しい、と強い疑念を抱くものである。
 以下、質問する。

一 二〇一五年十二月八日、菅官房長官は佐喜眞淳宜野湾市長からディズニーリゾート誘致実現に向けた協力など六項目の要請を受けている。右要請内容の詳細を項目ごとに明らかにされたい。
二 菅官房長官は、二〇一五年十二月九日午前の定例記者会見で、宜野湾市へのディズニーリゾート誘致構想に関し、「私自身も会長、社長とお会いした」と述べている。菅官房長官が東京ディズニーリゾート運営会社「オリエンタルランド」の加賀見俊夫会長及び上西京一郎社長と会談した日時を特定した上で、要請内容とそれらに対する「オリエンタルランド」側の回答内容を明らかにされたい。
 また、かかる会談は、佐喜眞市長の要請に基づき実現したものか、あるいは菅官房長官の判断によるものか、併せて明らかにされたい。
三 島尻安伊子内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)は二〇一五年十二月初め、佐喜眞市長と共に「オリエンタルランド」役員と会談したようである。日時及び「オリエンタルランド」側、島尻大臣側の出席者をそれぞれ特定の上、会談の目的と内容について明らかにされたい。
 また、かかる会談に菅官房長官の秘書も同席したとの報道があるが、菅官房長官の命によるものか、事実関係と併せて明らかにされたい。
四 二〇一五年十二月八日の佐喜眞市長から菅官房長官への要請には、普天間基地を二〇二〇年東京五輪聖火リレーのメインルートとして検討することも含まれていたようだ。
 @ 過去に我が国で開催された夏季及び冬季オリンピック・パラリンピックにおいて、在日米軍施設・区域内に聖火リレーのルートが設定された事例があれば、大会名及びルートとなった米軍施設・区域名について、政府として承知しているところを明らかにされたい。
 A 右要請について、安倍内閣で検討は始まっているのか。日本オリンピック委員会(JOC)にも伝えられ、情報共有されているのか。要請実現に向けた検討状況を具体的に説明されたい。
 B 普天間基地内に聖火リレーのルートを設定する場合、日米地位協定等に基づき、いかなる手続きが必要か、具体的に説明されたい。二〇一九年二月が期限の普天間基地の「五年以内運用停止」が実現した場合もかかる手続きは必要か、併せて明らかにされたい。

 右質問する。



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