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平成二十八年一月二十二日提出
質問第八〇号

容器包装リサイクル法の見直しに関する質問主意書

提出者  田島一成




容器包装リサイクル法の見直しに関する質問主意書


 政府は平成二十五年九月、環境省の中央環境審議会と経済産業省の産業構造審議会の合同会合において、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下「容器包装リサイクル法」という。)の見直しを開始した。今回の見直しは、平成十八年の同法の改正法(以下「平成十八年改正法」という。)の附則第四条の規定に基づくものであり、合同会合は平成二十六年九月の会合以降、長期にわたって中断した後、本年一月二十日に漸く再開された。今後の取りまとめに向け、合同会合において活発な議論が交わされることが期待される。
 容器包装リサイクル法は、個別リサイクル法としては我が国で初めて制定され、循環型社会形成への原動力となってきたが、これを更に推進するため、政府は強制的措置や関係者の役割分担の変更も含めた抜本的な改善策の導入に躊躇せず、施策を提案、展開していくことが必要である。そこで、以下の事項について質問する。

一 合同会合について
 1 平成二十七年三月二十七日に開かれた衆議院環境委員会における私の質疑の際、政府は合同会合が再開されていない当時の事態の説明として、「これまでの御審議を踏まえて、施策の方向性をお示しすべく、現在、議論の集約の検討」に時間をかけている旨答弁されている。中断期間中、関係者間で、どのような論点に関し、どのような意見の隔たりが生じ、これに対しどのような調整が図られてきたのか具体的に明らかにされたい。併せて、約一年四ヶ月という長期間にわたって同会合が中断したにもかかわらず、その間、容器包装リサイクル法において重要な役割を果たしている国民に対し、政府の検討状況について積極的な情報提供がなされなかったことには問題がなかったのか、見解を示されたい。
 2 中断期間が長期化したことに対し、国民から、密室での取り決め、合同会合の議論の形骸化といった批判を受けることがないよう、再開された合同会合では、十分な審議時間を確保した上で議論を尽くして合意形成を図るとともに、パブリックコメントを再度実施するなどの対応を図る必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
二 容器包装リサイクル法に係る個別の施策について
 1 平成十八年改正法の法案審査がなされた平成十八年五月二十三日の衆議院環境委員会では、法案に対して十九項目から成る附帯決議が付された。この附帯決議の各項目に関し、政府の講じてきた措置や政府における検討結果、今後に残された課題と課題に対する取組の進め方を、合同会合における検討状況を含めて明らかにされたい。
 2 レジ袋の削減策は平成十八年改正法に係る検討の際にも議論され、今回の見直しでは、合同会合が整理した論点の中で無料配布の禁止などの強制的措置が選択肢として掲げられていた。しかし、平成二十六年九月二十四日の合同会合の資料には、検討の方向性について「更なる自主的取組の促進を図ることが有効ではないか」との記述が見受けられる。合同会合は強制的措置の導入提言の見送りを決めたのか、現時点における政府の見解を示されたい。
 3 リターナブルびんは年間使用量の減少傾向が続いている。学校給食における牛乳びんの再採用など、この傾向に歯止めをかけるための今後の普及方策を示されたい。また、市町村の収集ルートにおいても、集めたリターナブルびんをカレットにすることなく、びんとしてリユースするよう促すため、分別基準の設定の必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
 4 ペットボトルのリユースについては、環境省は平成二十一年八月、ペットボトルリユース実証実験結果の取りまとめを公表している一方、今回の合同会合においては主な論点として扱われていない。今や政府はリユースを断念し、使用済ペットボトルからペットボトルを再生するという、リサイクルの推進に施策の重点を置くことにしたのか、それともリユース実施に向けた検討を継続しているのか。ペットボトルのリユースに関する海外の動向に対する評価も含めて見解を示されたい。
 5 各主体の役割分担の在り方の検討については、合同会合が整理した論点には、市町村が行うこととされている容器包装廃棄物の分別収集・選別保管の役割を一定程度特定事業者に求めるべきかどうかが挙げられている。容器包装リサイクルのシステム全体の効率化を図る観点から、導入に向けた検討を積極的に進めるべきであり、平成二十八年一月二十日の合同会合の資料でも、考えられる施策の例として、「製品プラスチックの一括回収及び市町村とリサイクル事業者の二重選別の一体化による社会全体の費用の低減効果や制度的課題を把握するための実証研究の実施」が挙げられている。本施策に関して想定される実施スケジュールを明らかにされたい。
 6 海洋ごみの多くは、ペットボトルやレジ袋等を含むプラスチックごみで占められており、平成二十七年六月に開催されたG7サミットにおける首脳宣言でも、海洋ごみ、とりわけプラスチックごみが世界的課題を提起していることが認識され、各国が陸域・海域に由来する海洋ごみの発生源対策を始め、回収・処理活動、教育・研究・啓発活動に取り組んでいくこととされた。海洋におけるプラスチックごみの削減という観点からも容器包装リサイクル法の見直しを進めるべきである。そこで、不法投棄を減らす効果が期待されるペットボトルのデポジット制度の導入などを検討する必要があると考えるが政府の見解を示されたい。併せて、平成二十八年一月二十三日から二日間にわたって開かれる「二〇一六 新春海ごみシンポジウム」には、世界各国の研究者を始め国内外の関係者が出席し、海洋ごみ問題に関する情報交換が進むものと期待されるが、同シンポジウム開催に向けた政府の取組及び開催によって得られた成果の今後の施策への反映について見解を示されたい。
 7 欧州委員会は、循環経済への移行を促すため、循環経済パッケージをまとめ、欧州連合における容器包装廃棄物のリユース・リサイクル率の目標を二〇三〇年までに七十五%とするなど、野心的な数値目標を提案している。こうした動きを踏まえ、我が国の容器包装リサイクル法においても、循環型社会形成に向けた関係者の取組を一層促すような高い水準の数値目標を設定すべきものと考える。平成二十八年一月二十日の合同会合の資料でも考慮・検討すべき事項の中に、「国全体としての目標の設定」が挙げられているが、本事項に関して想定される検討スケジュールを明らかにされたい。

 右質問する。



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