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平成二十八年二月十八日提出
質問第一三三号

安倍政権における放送法第四条第一項に関する諸問題に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




安倍政権における放送法第四条第一項に関する諸問題に関する質問主意書


 高市総務大臣は、平成二十八年二月八日の衆議院予算委員会の奥野総一郎議員の質問に対し、「法律というものは、やはり法秩序というものをしっかりと守る、違反した場合には罰則規定も用意されていることによって実効性を担保すると考えているので」、放送局の電波の停波を「全く将来にわたってそれがあり得ないということは断言できません」との答弁を行った。
 また「放送法というものをしっかりと機能させるためには、電波法においてそのようなことも担保されている」との答弁も行っている。
 これに関して、以下質問する。

一 放送法第四条第一項は、「放送事業者」の「国内放送及び内外放送の放送番組の編集」に関する方針を示していると解すべきであり、電波法との関連は当該条文には明示されていない。一つの法律の規定する内容を当該条文に明示されていない他の法律(電波法第七十六条第三項等)を介して、罰則規定があると答弁することは、放送事業者に重大な不利益処分を与えることになる停波という行政指導の根拠としては不適切ではないか。政府の見解を示されたい。
二 停波という放送事業者への重大な不利益処分は社会的影響も重大であり、放送法に個別具体例を明示されるべきであるが、放送法では停波に至る具体的な事例の列挙はない。放送法第四条第一項のどのような部分に違反すれば、放送事業者は停波に至るのか。この問題は放送事業者の委縮効果を招きかねないものであり、政府は仮定のご質問にはお答えしかねるとしばしば答弁するものの、政府の見解を詳細かつ具体的に示されたい。
三 放送法第四条第一項のどのような部分に違反すれば、放送事業者が停波に至るのか明示されていない以上、高市総務大臣の答弁は放送事業者の委縮効果を招きかねないものであり、政権に対する批判などの言論の封じ込めの作用を持つ。日本国憲法第二十一条は表現の自由を保障している。個別の番組の内容に行政権力が介入すべきではなく、番組内容については、あくまでも放送事業者と視聴者の間で自律的に解決されるべきものであり、かかる姿勢が日本の健全な民主主義に資するものである。何が放送法第四条第一項に違反するのか具体的に明示されていない以上、高市総務大臣の答弁は、放送事業者に委縮効果を与える包括的な事前検閲として働くのではないか。政府の見解を示されたい。
四 憲法学者の長谷部恭男氏は、『テレビの憲法理論』(平成四年、弘文堂)で、「放送事業者のうち、基本的情報を平等に提供することを任務とする者については、政治的立場や価値観の点で公平性が要求される」とした上で、「問題は、そこでいう「公平性」とは何を意味するのか・・・いかなる制度を通じて、公平性を維持すべきか」とし、「公平か否かを誰が判定するべきかという問題と重なり合う」(同書、一五八頁)と指摘している。その上で、「放送法の・・・定める番組編集準則に違反したことを理由に、電波法七六条による停止運用や免許停止を行えないとするのが通説」(同書、一六八頁)と断じている。
  学説通説で「誰が判定するべきか」が定かではなく、「電波法七六条による停止運用や免許停止を行えない」とされている以上、高市総務大臣の一連の発言は憲法学のこれまでの研究成果やわが国の世論に反するというべきである。
  かかる長谷部氏の指摘に対して政府はどのように考えるのか、見解を示されたい。また、議院内閣制を採用するわが国において、そもそも政治的中立性を持ちえない、与党から選ばれる総務大臣がどのようにして政治的公平性を判断する制度が担保されているのか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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