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平成二十八年九月二十七日提出
質問第一四号

GPIFの年金積立金の運用姿勢に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




GPIFの年金積立金の運用姿勢に関する質問主意書


 年金積立金管理運用独立行政法人(「GPIF」という。)は、厚生年金保険法および国民年金法の規定に基づき、厚生労働大臣から寄託された積立金の管理及び運用を行うことを目的としている。またGPIFは、収益を国庫に納付することで、厚生年金保険事業および国民年金事業の運営の安定に資することとされている。
 しかしながら、二〇一五年八月のいわゆるチャイナショック以来、株式市場の下落傾向は続いており、GPIFは二〇一五年度に五兆数千億円の運用損失を出し、二〇一〇年度以来、五年ぶりに赤字となったという報道は記憶に新しい。これは政府が二〇一四年十月からGPIFの年金積立金の株式市場での運用割合を増やしたことの影響が大きいとの指摘がある。
 このような結果を受け、国民には将来の年金支給額が減額されるのではないかという不安が広がっている。塩崎恭久厚生労働大臣は、平成二十八年六月二十八日の記者会見で、「短期的な変動に伴う評価損というのは当然あり得るわけでありますが、私達は短期的な、日々の動きに注目しているわけではなくて、長い目で見て、年金受給者にとって必要な資金を確保できるかどうかという観点でやっています。」と説明するものの、株式市場では依然として株安傾向が続いており、政府の年金積立金の運用方針には疑義があるので、以下質問する。

一 GPIFにおける年金積立金の運用について、資金の規模とそれぞれの運用種別について具体的に示されたい。
二 年金積立金の運用について、「運用益を確保すると同時に運用のリスクを低減させるため」に、「運用先や運用方式についてどのような組み合わせをする方針」を持っているのか。政府の見解を示されたい。
三 GPIFは、「名目賃金上昇率+一.七%」という目標運用利回りを想定しているのか。政府の見解を示されたい。
四 GPIFは、五年平均、あるいは十年平均の年金積立金の運用利回りの目標をどの程度に想定しているのか。市場の動向によって、目標利回りが得られない場合、どのような対策をしようと考えているのか。政府の見解を示されたい。
五 GPIFは平成二十六年十月から国内外株式での運用を五十%に倍増したが、平成二十七年八月のチャイナショック以来、依然として株安が続いている。かかる判断は現時点でも正しかったと考えているのか。かかる判断の評価について、政府の見解を示されたい。
六 今後、株式市場の下落傾向が長期的に続き、GPIFの年金積立金に大きな損失が生じた場合でも、将来の年金給付が減少することはないと政府は明言できるのか。政府の見解を示されたい。
七 購入した株式はどこかの時点で売却して利益を確定しなければならない。この利益確定にともない、市場にGPIFの保有する株式が売りに出た場合、当然、その市場価格は下落する。また、年金積立金の運用利回りが悪い場合、その損失の穴埋めなどのために保有株式の売却の必要に迫られ、さらに大量の株式の売却が迫られることになるが、一方で、市場価格の下落を加速させる要因となる。GPIFは保有株式の出口戦略についてどのように考えているのか。政府の見解を示されたい。
八 年金積立金の運用について、GPIFは日常的にどのような評価機関を持っているのか。週一回会議を行い運用状況の報告をするなどの会合を持っているのか。また受益権者である国民にはどのような形で情報公開が行われているのか。政府の取り組みを示されたい。
九 GPIFの年金積立金の運用について、多くの国民が大きな不安を持っている。政府はこの不安を払しょくするために十分な努力をしているのか。多くの国民は政府の取り組みが不十分であり、将来の年金額に影響を及ぼすと感じている。このような国民の不安に対して、政府はどのような取り組みをしているのか、具体的に示されたい。
十 GPIFの年金積立金の運用先を国内株式とする場合、その運用資金の規模の大きさから、GPIFが日本の上場企業の事実上の大株主になり得る。特に、その時の政権の意向で運用積立金の運用量を倍増させるなどした場合、日本の株式市場に大きな影響を与える。このような行為は、結果として、日本の株式市場を歪めることにはならないのか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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