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平成二十八年十一月二十五日提出
質問第一六七号

ドナルド・トランプ氏と安倍総理の会談内容に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




ドナルド・トランプ氏と安倍総理の会談内容に関する質問主意書


 平成二十八年十一月十七日(現地時間)、安倍総理は、アメリカ合衆国のニューヨークを訪問し、ドナルド・トランプ氏と会談(「本会談」という。)を行った。
 トランプ氏との会談後、安倍総理は、「二人で、ゆっくりと、じっくりと胸襟を開いて、率直な話ができたと思っています。大変温かい雰囲気の中で会談を行うことができた」「共に信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談でありました。中身につきましては、私は私の基本的な考え方についてはお話をさせていただきました」と述べつつ、「中身につきましては、まだ次期大統領は正式に大統領に就任していない。そして、今回は非公式の会談であるということから、中身についてお話をするということは差し控えさせていただきたいと思います」とも述べた。
 ドナルド・トランプ氏と安倍総理の本会談は、今後の国民生活に大きな影響を与えかねない要素を含んでいるものの、安倍総理による本会談の説明があまりにも判然としないため、以下質問する。

一 過去に日本国の首相が就任前のまだ公的立場を持っていない他国の国家元首の予定者と個別に会談した事例は存在するのか。政府の見解を示されたい。
二 日本国の首相が就任前のまだ公的立場を持っていない他国の国家元首の予定者と個別に会談することは、わが国の外交上のプロトコールに反するのではないか。政府の見解を示されたい。
三 安倍総理はどのような立場のドナルド・トランプ氏と会談したと認識しているのか。政府の見解を示されたい。
四 イギリスのBBCなどでも、ドナルド・トランプ氏を紹介するにあたり、「US President-elect Donald Trump」(合衆国大統領に選ばれたドナルド・トランプ)と表記しており、現在のドナルド・トランプ氏は公人としての立場を持っていないと思われる。政府は、本会談当時、ドナルド・トランプ氏は公的立場を持っていると考えていたのか。政府の見解を示されたい。
五 安倍総理は本会談で、「共に信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談でありました」と感想を述べつつも、その内容については概要すら明らかにしようとしない。国民に対して、「確信の持てる会談」と自賛するのであれば、少なくとも概要は述べるべきであろう。安倍総理は何をもって「確信の持てる会談」と確信したのか、その理由を明らかにされたい。
六 右の問に関して、その理由を明らかにできない場合、どのような理由で明らかにしないと判断したのか。国民に分かりやすい言葉で、政府の見解を示されたい。
七 安倍総理は本会談で、日本国民にも明らかにできないような日本政府の基本的な考え方をドナルド・トランプ氏と同席したイヴァンカ・トランプほかのアメリカの私人に明らかにしたと言える。これはどのような法令上の根拠に基づくのか。あるいは外交上のプロトコールに反しないのか。政府の見解を示されたい。
八 安倍総理が外交官でもなく私人に過ぎないイヴァンカ・トランプらに日本政府の基本的な考え方を話したことは、「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(平成十三年一月六日閣議決定)でいうところの、「国務大臣等(内閣総理大臣その他の国務大臣、副大臣(内閣官房副長官を含む。)及び大臣政務官)」は「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない」という服務等の規範に反するのではないか。あるいは反しないとすれば、どのような理由で免責されるのか。政府の見解を示されたい。
九 ドナルド・トランプ氏と安倍総理は、二人だけで、日本側の通訳だけを介して、いわゆるテ・タテの会談を約四十五分間行ったと報じられている。通訳を介しての約四十五分であれば、実質的な会談は約二十分余であり、数回の会話の往復に過ぎない。このような程度の会話のやりとりでも安倍総理は「確信の持てる会談」と確信できたのか。見解を示されたい。
十 右の問に関して、ドナルド・トランプ氏と安倍総理の会話の記録は残されているのか。政府の見解を示されたい。
十一 ドナルド・トランプ氏はロシアのプーチン大統領と電話で会談し、意見交換をしたことが報じられている。また、ドナルド・トランプ氏のロシア訪問時期について、ロシアのイズヴェスチヤ紙は大統領就任式後になるとも報じた。このように通常の外交上のプロトコールでは、大統領就任後に国家首脳同士が会談を行うのが通例であり、US President-electに過ぎないドナルド・トランプ氏と安倍総理が会談することは明らかに外交上のプロトコールを逸脱する。イギリスのエリザベス女王もドナルド・トランプ大統領の訪英を望んでいると報じられているが、その時期は来年の六月ないし七月だと報じられている。本会談は、明らかに前のめりで、国際的な外交上のプロトコールにも反するのではないか。政府の見解を示されたい。
十二 本会談後、「安倍総理からは、ゴルフクラブを贈呈」したことが明らかにされているが、このゴルフクラブの代金は公的な会計の中から支出されたのか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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