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平成二十八年十二月五日提出
質問第一八七号

東海再処理施設のずさんな管理に対する政府の認識に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




東海再処理施設のずさんな管理に対する政府の認識に関する質問主意書


 平成二十八年十二月五日、朝日新聞は、使用済み核燃料を再処理する茨城県の「東海再処理施設」(「当該施設」という。)のずさんな管理の実態を報じた。
 日本原子力研究開発機構の田口副理事長は、「できていないのはけしからんが、これからちゃんとしたものを、どう作っていくかという話をさせていただきたい」と述べたとされるが、これまでに多額の国の予算が投入されているため、まず政府が正確に現状を把握し、国民に説明すべきであろう。
 このような観点から、当該施設の管理体制に疑義があるので、以下質問する。

一 当該施設の高放射性固体廃棄物貯蔵庫には、どのような廃棄物が、どのような状態で保管されていると政府は認識しているのかを明らかにされたい。朝日新聞の報道では、当該施設内のプールには、廃棄物入りのドラム缶約八百個が乱雑に積み上がっており、ドラム缶の腐食により内容物が漏れている可能性も指摘されているが、これは事実か。また、こうした指摘も含め、当該施設のずさんな管理体制を政府はどのように認識しているのか。見解を示されたい。
二 朝日新聞の報道によれば、当該施設には、極めて放射性の強いガラス固化体が約二百五十本、約四百立方メートルの高レベル放射性廃液などの廃棄物が存在すると報告されている。こうした点を含め、当該施設には、どのような廃棄物が、どの程度の量、どのような状態で、保管されているのか。政府の把握するところを具体的に示されたい。
三 右の問に関して、当該施設のずさんな管理体制を政府はどのように認識しているのか。見解を示されたい。
四 右の問に関して、廃棄物などの放射線量はどの程度であるのか。政府の把握するところを具体的に示されたい。
五 高放射性固体廃棄物貯蔵庫内のプール表面の放射線量は具体的にどの程度であるのか。政府の見解を示されたい。
六 当該施設は、平成二十六年に廃止が決まったが、今後、この施設の廃止には、どの程度の年数と費用を要すると考えているのか。政府の見解を示されたい。
七 右の問に関して、当該施設の廃止はどのような財源によって行われるのか。政府の見解を示されたい。
八 当該施設に保管されているような高レベル廃棄物は、地下深くに十万年以上保管しなければならないが、このような保管のための科学的有望地を政府が年内にも示すと承知しているが、これが決まり、その施設が稼働しない限り、当該施設で高レベル廃棄物を保管し続ける必要があるという認識で良いか。政府の見解を示されたい。
九 右の問に関して、科学的有望地が決まり、その施設が稼働しない限り、高レベル廃棄物を当該施設で保管し続けなければならない。そのためには、当該施設でのずさんな管理体制を正常化させなければならないと思われるが、それに要する期間、予算はどの程度必要であると考えるのか。政府の見解を示されたい。
十 日本原子力研究開発機構の田口副理事長が朝日新聞のインタビューで答えたように、政府は、現状の当該施設のずさんな管理体制について、「できていない」と認識し、「けしからん」とも認識するのか。国民の常識から考えても、朝日新聞の報道を見る限り、当該施設の管理体制はあまりにずさんであり、かかる認識は政府も共有すべきであろう。政府の見解を示されたい。
十一 当該施設の運営者である日本原子力研究開発機構の副理事長が当該施設の現状を「けしからん」と他人事のように述べることは、国民感情からいえば、国の原子力行政の無責任体制を象徴しており、極めて「けしからん」ことである。政府は、かかる発言の撤回を促し、まずずさんな管理体制を放置したことを反省し、このような事態の再発防止に取り組むべきである。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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