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平成二十八年十二月八日提出
質問第一九九号

SACO合意及び普天間飛行場の五年以内の返還の破綻と最近の普天間飛行場の機能強化との関係に関する質問主意書

提出者  仲里利信




SACO合意及び普天間飛行場の五年以内の返還の破綻と最近の普天間飛行場の機能強化との関係に関する質問主意書


 去る十二月二日は、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告から二十年という節目の日であったが、日米両政府が鳴り物入りで華々しく打ち上げた基地の返還と過重な基地負担の軽減は絵に描いた餅となり、むしろ老朽化した基地を最先端の基地へと生まれ変わらせる結果となり、基地機能の向上と強化、効率化が進んだ内容となっている。
 いわば基地の整理や統合、縮小は名ばかりの題目となり、その実態は米軍の使用しない土地の返還でしかない。また、最大の懸案であった普天間飛行場は返還の目途が全く立たず、逆に補修や機能の向上と強化が目的の工事を相次いで行う有様である。
 さらに、嘉手納以南の返還の目途も立たないなど、SACO合意が最早破綻していることは明らかである。
 そこでお尋ねする。

一 日米特別行動委員会(SACO)の最終報告の目的は何か明らかにされたい。
二 SACO合意で返還が約束された事案の名称と内容、平成二十八年十一月までに返還された事案の名称と内容、並びに返還されていない事案の名称と内容について政府の承知するところを明らかにした上で、返還されなかった事案の理由について政府の見解を答えられたい。
三 SACO合意の全てが県内への移設条件付となっている理由は何か、そしてなぜ沖縄県内への移設でなければならないのか、なぜ全国で米軍基地を分担しないのか、について政府の認識と見解をそれぞれ答えられたい。
四 SACO合意の裏には沖縄県内での代替施設の建設が条件となっていたが、沖縄県民にはその事実は全く知らされていなかった。なぜ政府は沖縄県民をだましたのか、政府の認識と見解を答えられたい。
五 沖縄県民は、日米両政府のSACO合意の目的が過重な基地負担の軽減にあるのではなく、基地の県内たらい回しであって、基地機能の向上と強化、効率化であることから、基地負担の軽減には繋がらないと考えているが、政府の認識と見解を答えられたい。
六 北部訓練場の一部返還を始めこれまで返還された基地を見ると、米軍が使用しないとした基地を返還しているだけに過ぎないが、政府の認識と見解を答えられたい。
七 沖縄に米軍基地が集中することについて、政府は口を開けば「沖縄の地理的優位性」を挙げるが、最早そのような主張や理屈は破綻していることは明らかではないか、政府の認識と見解を答えられたい。
八 全国各地では日米安保条約は必要だと言いながら、自分の地元に米軍基地を置くことは反対するが、沖縄に集中させることには知らんぷりをしている。このような対応は安全保障のただ乗りであり、身勝手な考えではないか、政府の認識と見解を答えられたい。
九 日米両政府は、二〇〇四年八月十三日に沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学での米軍ヘリコプターの墜落炎上事故が発生したことを受け、市街地にある危険性を早急に除去するため、普天間飛行場を五年ないし七年以内に閉鎖・返還することを合意したはずである。なぜ普天間飛行場の返還が遅れているのか、その理由について政府の認識と見解を答えられたい。
十 ラムズフェルド米国国防長官(当時)をして「世界一危険な飛行場」と言わしめた普天間飛行場の危険性は、ヘリの墜落事故があった時と現在で変化があるのか、政府の認識と見解を答えられたい。
十一 米国内で別名「未亡人製造機」と揶揄されている米軍の最新鋭輸送機オスプレイが普天間飛行場に配備されたことからすれば、普天間飛行場は沖縄国際大学へのヘリ墜落当時より現時点がより危険な飛行場となっているのではないか、政府の認識と見解を答えられたい。
十二 日米両政府は、口を開けば「普天間飛行場の固定化を避ける」と言いながら、なぜ多額の経費をかけて滑走路や格納庫、その他飛行場関連施設の機能向上や補修等を行うのか、政府の認識と見解を答えられたい。
十三 ラムズフェルド米国国防長官をして「世界一危険な飛行場」と言わしめた普天間飛行場の機能向上や補修等をなぜ行わなければならないのか、政府の認識と見解を答えられたい。
十四 沖縄県内の地元紙によれば、沖縄防衛局は「雨水排水施設」を整備する計画を郷友会に示したとのことであるが、同施設の整備目的は何か、これまで同様の機能を持った施設があったのか、これまで駐機場や滑走路への冠水はどのように処理していたのか、政府の認識と見解を答えられたい。
十五 普天間飛行場において、これまで日本政府の経費で行った機能向上や補修等を滑走路や格納庫、兵舎、その他用途別に分類して、目的は何か、どの程度耐用年数が向上又は改善されるのか、それらの経費は幾らかなどについて政府の承知するところを明らかにした上で、それらをなぜ実施しなければならないかについて政府の見解を答えられたい。
十六 報道によれば、米太平洋軍のハリス司令官は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設完了が二〇二五年になるとの見通しを明らかにしたとのことであるが、この見通しのとおりであれば日米両政府が合意した二〇二二年度までの普天間飛行場の閉鎖という目標達成は困難となることになる。この見通しの内容と背景、理由について政府の承知するところを明らかにした上で、二〇二二年度までに普天間飛行場が閉鎖されるという日米合意が達成可能か否かについて政府の見解を答えられたい。
十七 日米両政府が近年相次いで滑走路や格納庫、その他飛行場関連施設の機能向上や補修等を実施しているのは、ハリス司令官らの見通しに基づいた一連の行動か、政府の認識と見解を答えられたい。
十八 日米両政府が普天間飛行場において実施している、または実施しようと計画している補修や改修等により、どの程度耐用年数が伸びるのか、政府の認識と見解を答えられたい。
十九 質問十八に関連して、補修や改修等により普天間飛行場の性能や機能の向上がどれだけ図られるのか、政府の認識と見解を答えられたい。
二十 日米両政府の約束であった「五年以内の普天間飛行場の閉鎖」も既に二ケ年半が経過しており、残りは後二ケ年半の猶予しかない状況となっている。平成二十八年十一月時点での普天間飛行場の閉鎖・返還の時期の見通しについて政府の承知するところを明らかにした上で、その時期になる理由について政府の見解を答えられたい。

 右質問する。



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