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平成二十八年十二月十二日提出
質問第二一二号

政府の原発の発電コストに関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




政府の原発の発電コストに関する質問主意書


 平成二十八年十二月九日、経済産業省は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応する賠償や廃炉などの費用が、従来の見込みの十一兆二千億円の約二倍となる二十一兆五千億円に膨らむとの試算を発表した。
 この発表に関連し、政府の原発の発電コストの評価に疑義があるので、以下質問する。

一 政府は、現在、原発の発電コストを「一キロワット時、最大でも十・四円と試算」していると承知しているが、これは政府の公式見解か。これが公式見解でないとすれば、政府は原発の発電コストをどの程度であると試算しているのか。政府の見解を示されたい。
二 右の問に関連し、政府の原発発電コストの算定根拠、算定条件、積算内訳を具体的に示されたい。
三 経済産業省の発表した東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応する賠償や廃炉などの費用は、二十一・五兆円へと倍増する試算を示したが、政府による原発の発電コストは「一キロワット時、最大でも十・四円」という試算には、この二十一・五兆円へと倍増する試算額は反映されているのか。政府の見解を示されたい。
四 この二十一・五兆円を考慮しても、原発の発電コストは一キロワット時に十・二〜十・四円にとどまると政府は説明していると承知しているが、この認識は正しいのか。政府の見解を示されたい。
五 右の問に関して、原発の発電コストは一キロワット時に十・二〜十・四円にとどまると政府が説明する理由や算定根拠は具体的にどのようなものか。政府の見解を示されたい。
六 福島第一原子力発電所の事故以前、日本では五十四基の商業用原発が稼働していたと認識している。これらの原発の原子炉の稼働開始から二〇一一年三月十一日までの時点の稼働期間は、平均でどの程度であるのか。政府の見解を示されたい。
七 六の問でいう稼働期間の中で、福島第一原子力発電所の事故という三基の原子炉の炉心が溶融する「過酷事故」が起きたことになるが、これはわが国の商業用原発が稼働してきた期間の中で、約十年間に一基において「過酷事故」が起きる確率だと認識するが、この認識は正しいか。また約十年に一度の「過酷事故」が起きる確率という現実に対して、政府はどのように受け止めているのか。政府の見解を示されたい。
八 福島第一原子力発電所の事故以後は、原発にはより厳しい安全対策が求められるようになり、建設費は世界的に高騰している。そこで、一の問でいう政府試算の前提となる、原発の建設費用は、事故前後で、どのように変化したのか。政府の把握するところを具体的に明らかにされたい。
九 一の問でいう政府の試算には、政府が推進する核燃料サイクルの一環として実施している「もんじゅ」に関するこれまでの諸費用は含まれているのか。また含まれていないとすれば、それはどのような理由であるのか。政府の見解を示されたい。
十 一の問でいう試算には、政府がこれまで「もんじゅ」など核燃料サイクルに投じた費用及び、今後、政府が着手しようとしている次世代の原子炉「高速炉」の開発に投じられる費用も含めるべきである。これに対する政府の見解を示されたい。
十一 これまで原発による発電に要した経費と、今後発生するであろう費用(廃炉費用、使用済み核燃料処理費用(核燃料サイクル費用も含む)、その他の廃棄物処理費用など)を、これまでの原発総発電量で除すれば、これまでの発電コストの実積値が算出される。政府はこうした試算をしたことはあるのか。見解を示されたい。
十二 右の問に関して、かかる試算をしてないとすれば、その理由は何か。政府の見解を示されたい。
十三 十一の問でいう試算を行えば、これまでの原発発電によるコストが判明する。政府はかかる前提の試算を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
十四 右の問でいう試算を行った場合の原発の発電コストは、一キロワット時あたりどの程度か。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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