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平成二十九年四月四日提出
質問第一九七号

沖縄県議会の要請に対する沖縄担当特命全権大使の発言と対応等に関する質問主意書

提出者  仲里利信




沖縄県議会の要請に対する沖縄担当特命全権大使の発言と対応等に関する質問主意書


 沖縄県内の地元紙の報道によれば、去る三月三十日、沖縄県議会の代表団は米軍普天間飛行場の五年以内の運用停止を要請するため、外務省沖縄事務所を訪れたが、その際対応した川田司沖縄担当特命全権大使は、政府による対米交渉や辺野古新基地建設問題、過重な基地負担への見返りなどについて、県民感情を逆なでする発言を繰り返したとのことである。
 報道で明らかになったその際のやり取りを踏まえて、以下お尋ねする。

一 沖縄県議会代表団が「五年以内の運用停止は情報はないのか」と聞いたところ、川田大使は「それは私には入らない情報だ」と答弁したとのことである。このような答弁は、川田大使自ら、沖縄に沖縄担当特命全権大使や外務省沖縄事務所を置く必要性や意義を否定し、その職務を単なるメッセンジャー若しくはFAX機関に貶めるものとしか思われないが、政府の認識と見解を答えられたい。
二 川田大使は「辺野古の埋め立て許可と五年以内の運用停止が結び付いた話だ」と主張したとのことである。しかし、二〇一三年十二月の仲井眞弘多知事と安倍晋三総理大臣とのやり取りや約束では辺野古移設が前提との認識は示されていない。川田大使が主張する「普天間の閉鎖・撤去は辺野古が前提」との根拠を明らかにされたい。
三 沖縄県議会代表団が米軍普天間飛行場の五年以内の運用停止について「外務省として米国と交渉したのか」と問い質したところ、川田大使は「私も知らない」と答えたとのことである。また、県議会代表団が「沖縄に着任して重要な政治案件を大使が知らないのはおかしい」と指摘したところ、川田大使は「それは私の役目じゃない」と答弁し、さらに県議会代表団の「役目ですよ大使、それは」との指摘に対しては「なんでそれをあなたが決めるんですか」と答弁したとのことである。川田大使のこの三つの答弁は、本職が平成二十八年三月三日付質問主意書第一六七号で質問したことに対して、三月十一日付で政府が答弁した「答弁八」の沖縄担当特命全権大使の所掌事務にいずれも反しているものと思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。
四 川田大使は「沖縄経済の四兆円の経済所得の二兆円は本土からの移転経費だ」と述べたとのことである。川田大使の「本土からの移転経費」なるものの意味と、二兆円の算出根拠とその内容を明らかにされたい。
五 沖縄県議会代表団が「沖縄は見殺し状態だ。主権国家としてひどい」と指摘したところ、川田大使は「(財政移転しているから)見殺しにしていない」と主張したとのことである。しかし、川田大使が主張する「四兆円のうちの二兆円の移転経費」なる数字の誤りもさることながら、このような発言を「沖縄県民の意見及び要望を聴取し、外務省に伝える」任務を負う沖縄担当特命全権大使が公言すること自体が、如何に沖縄県民を侮辱するものであるか、そして川田大使が如何に沖縄県民を理解していないのか、沖縄県民に真摯に向き合っていないか、などの証左になるものと思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。
六 質問四及び五に関連して、川田大使は「四兆円のうち二兆円は本土からの移転経費だ」と主張したとのことである。その主張の根底には、「基地あるが故に沖縄に政府の金を余計に回してやっている」との考えがあり、そして政府が事ある毎に異口同音で「基地と沖縄振興費のリンク論」を唱えてきたことを、沖縄担当特命全権大使である川田氏が公然と述べようとする思惑が透けて見えるところであるが、政府の認識と見解を答えられたい。
七 川田大使は「県民の反対を押し切って、辺野古で工事をすることが県民の皆さんのためになると思っている」と主張したとのことである。しかし、名護市長選挙や知事選挙、衆議院議員選挙、参議院議員選挙等主要な選挙において、沖縄県民はいずれも「辺野古新基地建設反対、普天間飛行場の即時閉鎖と県外移設」との民意を示したことは明らかである。そのような事実が歴然とあるのにもかかわらず、川田大使があえて「県民のため」と称する根拠は何か、明らかにされたい。
八 川田大使は、今回の沖縄県議会代表団の中に自民党議員が加わっていないことについて、あたかも自民党が反対しているかの如く述べたとのことである。しかし、県議会代表団は川田大使の発言の前に丁重に「この決議は自民も公明も入っている」と説明したのである。さらに沖縄担当特命全権大使であれば、当然承知して然るべきことであるが、「沖縄県議会代表団の構成は、その時々の派遣の構成割合や順序によって、派遣会派が変わるものである」ことは周知の事実である。それを差し置いて、たまたま要請の場に居合わせないことでもって、あたかも自民党が反対しているかのごとく発言した川田大使の真意とその根拠を明らかにされたい。
九 川田大使が沖縄県議会代表団の要請を全会一致に基づくものであるのにもかかわらず、あたかも自民党が反対したかの如く発言したことや、県民の代表である県議会の要請に対して不適切かつ無礼な対応を行ったことなどは、極めて不適切である。ましてや憶測で発言したならば、余りにも短絡的であり、沖縄担当特命全権大使としての資質が疑われるべきものであると思われる。また、歴代の沖縄担当特命全権大使の言動等に照らしてみると、いずれも似通った言動であることに驚かされる。さらに、本職の質問主意書で明らかになったことであるが、外務省沖縄事務所の経費は四〜五千万円余も要しており、大使の給与等の経費がこれに加わるのであれば、莫大な経費を掛けて大使と事務所を設置していることになる。県民感情や費用対効果を考えれば、沖縄担当特命全権大使及び外務省沖縄事務所を引き続き設置する必要性は最早ないと言わざるを得ないが、政府の認識と見解を答えられたい。

 右質問する。



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