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平成二十九年四月十四日提出質問第二三〇号
豊洲新市場の認可に関する質問主意書
提出者 菅 直人
豊洲新市場の認可に関する質問主意書
今国民の関心を集めている出来事の一つは豊洲新市場の問題である。豊洲は東京ガスの工場跡地であり、当初から土壌汚染が心配されていた。例えば二千一年四月には東京ガス自身が豊洲の工場跡地で環境基準の千五百倍のベンゼンを検出と発表。また最近では今年一月の九回地下水モニタリングで、従来の調査をはるかに超える汚染が判明。
こうした汚染の実態が判明したことを受けて東京都が豊洲移転についてどのような判断をするか注目されている。しかし、豊洲新市場の問題は東京都だけで決めることのできる問題ではなく、法律上、国も大きな責任と権限を有する問題である。そこで以下、東京都の豊洲新市場への移転について質問する。
2 農水大臣が認可の是非を判断するに当たっては中央卸売市場整備計画に適合しているかどうかが基準になると考えるが、正しいか。
3 二千十六年に出された第十次中央卸売市場整備計画には「生鮮食料品等の安全を確保し、消費者等の安心につながるように留意する」とある。この要件が満たされなければ農水大臣は認可しないと考えてよいか。
4 東京都の豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書(二千八年七月)には次のような記述がある。
「また、仮に地下水中のベンゼンやシアン化合物が揮発して室内に侵入し、室内空気に含まれるベンゼンやシアン化合物が生鮮食料品の表面に付着している水分に溶け込んだとしても、その濃度はベンゼンが飲料水の水質基準の千分の一未満、シアン化合物が十分の一未満と非常にわずかであり、食の安全・安心の観点から見ても、悪影響が及ぼされる可能性は小さいと考えられる。」
この記述からすると、都の専門家会議は地下水中のベンゼンやシアン化合物が揮発して大気中を介して広がり、生鮮食料品の表面に付着している水分に溶け込む可能性を認めている。これでは生鮮食料品等の安全性が確保されているとは言えないと考えるがいかがか。また消費者の安心につながるように留意されているとも言えないと考えるがいかがか。
右質問する。