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平成三十年一月二十二日提出
質問第九号

イージス・アショア二基導入の閣議決定に至る経緯等に関する質問主意書

提出者  阿部知子




イージス・アショア二基導入の閣議決定に至る経緯等に関する質問主意書


 安倍晋三首相は、二〇一七年十一月五日に米トランプ大統領とゴルフを行った翌六日に共同記者会見を行った。その席で、トランプ大統領が「非常に重要なのは、首相が、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」と言及、安倍首相は「F三十五Aもそうですし、SM三ブロック二Aも導入することになっている。イージス艦の量、質を拡充していく上において、米国からさらに購入をしていくことになっていくのだろうと思っているわけでございます」と呼応した。
 翌十二月十九日に安倍内閣は、閣議決定「弾道ミサイル防衛能力の抜本的向上について」(以後、同閣議決定)において、「北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国の安全に対する、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威」であると理由づけ、「陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)二基を導入」するとした。
 同閣議決定は、安倍首相が、国内での適正な手続を経ずに、トランプ大統領の兵器売り込み要請に応じた疑義がある。
 よって、以下質問する。

一 イージス・アショア導入の理由づけは「北朝鮮の核・ミサイル開発」による「差し迫った新たな段階の脅威」だとしているが、イージス・アショアの運用実績の乏しさや開発途上技術が含まれていることが指摘され、最低でも配備に五年はかかると言われていることと矛盾しているのではないか。
二 安倍首相が「イージス艦の量、質を拡充していく上において、米国からさらに購入をしていくことになっていくのだろうと思っている」と述べた時点から、イージス・アショア二基導入の閣議決定をした期間(以下、同期間)までに行われたことについて。
 1 同期間中に、安倍首相自身がイージス・アショア二基の導入について防衛省に対して何らかの協議や指示や打ち合わせ(以下、協議)等を行った事実があれば、その日時を明らかにされたい。
 2 同期間中に、防衛省が米軍と、または日米合同委員会の場で、イージス・アショア二基の導入について協議等を行った事実があれば、その日時を明らかにされたい。
 3 同期間中に、防衛省が防衛省内部で、イージス・アショア二基の導入について、協議等を行った事実があれば、その日時を明らかにされたい。
 4 同期間中に、防衛省または外務省または財務省が、イージス・アショア二基の導入について、自民党の国防部会で、説明をしたか説明を求められた事実があれば、明らかにされたい。
 5 1〜4のどの事実もないとすれば、同閣議決定はどのような経緯で行われたのか、明らかにされたい。
三 こうした防衛装備は、通常、中期防衛力整備計画に計画期間と総額と共に位置付けられる。安倍首相自身も、二〇一七年十二月四日の参議院本会議で「防衛装備品については、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づいて、米国製を含め計画的に取得」していること、「中期防衛力整備計画に定める五か年間の経費総額の枠内で計画的に計上している」ことを答弁していた。
  一方、「中期防衛力整備計画(平成二十六年度〜平成三十年度)」の総額は二十三兆九千七百億円と記載され、主要な整備内容は「別表」で計画されているが、イージス・アショアの整備は含まれていない。同閣議決定には、「平成二十九年度及び平成三十年度」におけるイージス・アショアの整備に要する経費は「中期防衛力整備計画(平成二十六年度〜平成三十年度)」の「総額の範囲内において措置する」と記載はされた。「総額」を変えないのであれば、防衛省は、イージス・アショア二基を導入する代わりに、何を削減するつもりか。
四 安倍首相がトランプ大統領との共同記者会見で、イージス・アショアに限らず、「F三十五Aもそうですし、SM三ブロック二Aも導入することになっている」と述べ、中期防衛力整備計画の見直しも待たず、現状を大きく変える装備の導入に言及した法的な根拠を、明らかにされたい。

 右質問する。



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