衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年三月八日提出
質問第一二九号

技能実習生の対象職種における除染作業の是非に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




技能実習生の対象職種における除染作業の是非に関する質問主意書


 厚生労働大臣の告示するところの「技能実習制度推進事業等運営基本方針」では、技能実習制度の基本理念として、「技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とする」と示されている。
 平成三十年三月六日、日本経済新聞は、「技能実習生として来日したベトナム人男性が、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染作業に従事していた」ことを報じている。この男性は平成二十七年九月に来日し、実習先である岩手県の建設会社と契約した業務内容は、「建設機械・解体・土木」であったことが報じられている。
 このベトナム人男性と契約した建設会社の社長は、日本経済新聞の取材に対し、このベトナム人男性が除染作業に従事していたことを認め、「日本人がしている仕事をやらせただけ」であり、「『実習』というのは建前で、外国人側は稼げればいいというのが本音だろう」、「除染に実習生を使っている会社はほかにもある」と回答したことも報じられている。他方、ベトナム人男性は「除染作業との説明はなかった」と回答している。
 「技能実習制度推進事業等運営基本方針」における技能実習二号移行対象職種に掲げる「建設機械施工」の作業の定義として、「押土・整地機械(代表機種:ブルドーザー)を使用した走行操作及び施工作業並びに点検作業」が示され、建設業法上の事業者が建設機械を使用して、押土・整地作業を行う場合、建設機械施工職種に該当するものとして、土木工事業、建築工事業、大工工事業、とび・土工工事業などが例示されている。ここではいくつかの工事業が示されているものの、技能実習生に従事させてよいのは「押土・整地機械を使用した走行操作及び施工作業並びに点検作業」であり、除染などの労務がこれに該当するとは考えることはできない。
 このような観点から、以下質問する。

一 政府は、外国人技能実習生が東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染作業に従事していることを把握しているのか。その場合、「技能実習制度推進事業等運営基本方針」の理念に反するのではないか。政府の見解如何。
二 外国人技能実習生が東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染の労務作業に従事することは、技能実習二号移行対象職種のどれに該当するのか、あるいは該当しないのか。政府の見解如何。
三 実習実施機関が入国管理局に提出している実習計画に、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染の労務作業を行わせることを明示せずに、実際にこのような除染の労務作業を行わせた場合、実習実施機関は不正行為を行ったものとして処分対象になるのではないか。処分対象になる場合、どのような処分がなされ得るか、根拠法令とともに明示されたい。
四 当該ベトナム人男性と契約した建設会社の社長が日本経済新聞の取材に答えたように、「除染に実習生を使っている会社はほかにもある」と承知しているが、政府はこのような実態を把握すべきではないか。政府の見解如何。
五 四に関連して、除染作業などを行い違法な状態になっている技能実習を是正すべきではないか。政府の見解如何。
六 「技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため」のものである。然るに、日本人の労働者を集めることが困難なため、外国人技能実習生に東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う除染の労務作業を行わせることが現状であろう。「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展」を望むならば、このような作業に違法に外国人技能実習生を従事させないことを徹底させるべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.