質問本文情報
平成三十年三月二十九日提出質問第一八九号
日本年金機構のデータ入力外部委託に関する質問主意書
提出者 奥野総一郎
日本年金機構のデータ入力外部委託に関する質問主意書
日本年金機構の年金データ入力ミス問題では、同機構のずさんな業者委託が明らかになり、変わらぬその体質に厳しい批判が浴びせられている。国民の年金制度そのものへの信頼も再び大きく揺らいでいる。
そこで、以下質問する。政府の承知するところを答えられたい。
二 今回問題となったSAY企画に対する契約は随意契約か、入札だったのか。入札であれば、開札結果を、随意契約であれば、その理由を示されたい。
三 毎日新聞本年三月二十一日付け朝刊社会面は「年金機構は、SAY企画が予定より大幅に少ない人数で作業していることを昨年十月に把握しながら作業を継続。特別監査は今年一月だった」と報道しているが事実関係如何。
四 日本年金機構外部委託規程(以下「委託規程」という。)によれば、「外部業務責任者は、受託者について、外部委託を受けた業務の実施に関し、契約の内容に適合した履行が困難であると認められるときは、速やかに報告させる措置を講じなければならない」(委託規程第十九条)とあるが、本件について昨年十月の時点で同条の措置はとられたのか。
五 委託規程第十七条は、受託者からの定期的な報告や必要な場合の報告聴取、立入検査等のモニタリングを定めているが、本件についていつ、どのように適用したのか。
六 一月の特別監査は内部告発がきっかけ、との報道もあるが事実か。
七 前述十月の時点で、委託規程に基づき、何らかの措置を講じたのか。講じなかったとすれば、そのように判断した理由。また、その時点で再委託を把握していたか明らかにされたい。
八 中国への再委託が行われた具体的な時期はいつからいつまでか。
九 「日本年金機構個人情報保護管理規程」(以下「規程」という)によれば、「個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、委託する個人情報の秘匿性等その内容に応じて、委託先における個人情報の管理の状況について、年一回以上の定期的検査等により確認するものとする。」(規程第四十九条第三項)とある。機構によるSAY企画に対する「定期的検査等」の実績を示されたい。
十 前項の「年一回以上の定期的検査等」の「等」とはなにか。定期的検査の代替措置が認められているのか。認められているとすれば具体的にどのような措置か。
十一 定期的検査等の結果により、委託の打ち切りや契約更新をしないなどの措置をとった例を示されたい。
十二 機構が業務委託をしている業者数を示されたい。そのうち再委託を行っている業者数を示されたい。
十三 これらの業者についての「定期的検査等」の実績を示されたい。
十四 再委託先に対して同条第五項に基づく「定期的検査等」の措置を講じているのか。実績を示されたい。
十五 同条第二項に「個人情報保護管理責任者は、個人番号利用事務等の全部又は一部を委託する場合には、委託先において、番号法に基づき機構が果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるか否かについて、あらかじめ確認する」とあるが、本件をSAY企画に委託する際に「確認」を行ったのか。
十六 同条第四項に「個人番号利用事務等の全部又は一部の委託をする際には、委託先において、機構が果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行う。」とあるが、厚生労働省は機構が「必要かつ適切な監督」を行わなかったものと認めるか。
十七 今回の不祥事について、機構の監督責任を、政府としてどのように問うのか。また、機構の度重なる不祥事に対し、機構の廃止も含む抜本的な組織改革を考えるべきではないか。再発防止策について問う。
十八 同機構のホームページには、今回の不祥事に関するお詫びと詳細な説明等が簡単に見当たらない。あまりに不親切であり、反省の気持ちも感じられないが、政府の見解を示されたい。
十九 委託規程は、日本年金機構法第五十一条の規定で、公表の対象とされていない、と承知しているが、その理由を示されたい。
二十 機構は、今回の事故によるSAY企画に対する損害賠償を請求するのか。その金額と、時期も示されたい。
右質問する。