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平成三十年四月十一日提出質問第二二二号
北朝鮮の非核化の定義に関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
北朝鮮の非核化の定義に関する質問主意書
安倍総理は、平成三十年三月八日の参議院予算委員会で、「我が国は、従来から、北朝鮮と意味のある対話を行うためには、北朝鮮が完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄することにコミットし、そして非核化に向けた具体的な行動を示すことが必要との立場」であると答弁している。
「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」(一九九二年二月十九日発効)では、「南と北は朝鮮半島を非核化することで、核戦争の危機を除去し、わが国の平和と平和統一に有利な条件と環境を造成し、アジアと世界の平和と安全に貢献するために、次のように宣言する」とし、「南と北は核兵器の試験、製造、生産、受付、保有、貯蔵、配備、使用を行わない」、「南と北は核エネルギーを、ただ平和的な目的にのみ利用する」と謳われている。
平成三十年三月二十八日、中国の新華社は、北朝鮮の金正恩委員長が同月二十五日から二十八日まで訪中し、中国の習近平国家主席と会談したと報じた。金委員長は会談で非核化実現への意欲を表明し、「金日成主席と金正日総書記の遺訓に基づき朝鮮半島の非核化実現に尽力する」(「金発言」という。)と表明したと承知している。
北朝鮮の非核化の定義について疑義があるので、以下質問する。
二 「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」は現在でも有効なものであるとの理解でよいか。
三 北朝鮮の金正恩委員長のいう非核化とは「金日成主席と金正日総書記の遺訓に基づ」いた「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」の立場に立つもので、「朝鮮半島の非核化」であるとの理解でよいか。
四 政府の「非核化」は北朝鮮の「不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄する」「非核化」であり、金正恩委員長の「非核化」は、金発言でいうような「朝鮮半島の非核化」であり、韓国国内での「核兵器の試験、製造、生産、受付、保有、貯蔵、配備、使用を行わない」ことを含むと考えられるが、政府の見解如何。
五 現在、日本政府のいう「非核化」と、北朝鮮のいう「非核化」は対象地域そのものが異なるものと考えるが、このような理解でよいか。
六 五に関連して、日米の北朝鮮の「非核化」の定義は共有されていると考えるものの、金正恩委員長のいう「朝鮮半島の非核化」とは齟齬があると思われるが、今後、政府はどのような方針で北朝鮮に「非核化」を求めていくのか。政府の見解如何。
右質問する。