質問本文情報
平成三十年五月十四日提出質問第二九六号
高度プロフェッショナル制度における健康管理時間の運用や実際の労働時間との関係等に関する質問主意書
提出者 山井和則
高度プロフェッショナル制度における健康管理時間の運用や実際の労働時間との関係等に関する質問主意書
高度プロフェッショナル制度を含む「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が平成三十年四月六日に国会に提出されました。この中で、高度プロフェッショナル制度では、使用者は健康管理時間を把握することとされています。
そこで、以下の通り質問します。
二 高度プロフェッショナル制度が適用される労働者に対して指示した業務が過大であったため、結果的に、労働者が二十四時間連続して労働した場合、このような指示を禁止する規定は、働き方改革法案にありますか。また、禁止する規定がある場合、当該規定に抵触した場合に罰則は適用されますか。
三 高度プロフェッショナル制度が適用される労働者に対して指示した業務が過大であったため、結果的に、労働者が四十八時間連続して労働した場合、このような指示を禁止する規定は、働き方改革法案にありますか。また、禁止する規定がある場合、当該規定に抵触した場合に罰則は適用されますか。
四 加藤厚生労働大臣は、五月十一日の衆議院厚生労働委員会で、「例えば二十四時間働きなさいと業務命令を出せば、要件を満たさず高度プロフェッショナル制度を適用できない」と答弁したが、何の要件を満たさず、どのような規定に抵触するのか、具体的にお答え下さい。また、抵触する場合、罰則は適用されますか。
五 四について、「二十四時間働きなさい」という明示的な業務命令でなく、二十四時間働かないと終わらないくらいの業務量の業務命令を出すことは合法ですか、違法ですか。違法の場合、罰則は適用されますか。
六 四および五について、「二十四時間働きなさい」という明示的な業務命令でなく、業務命令した業務を完了するために、結果的に、二十四時間連続、労働者が労働した場合、この業務命令は合法ですか、違法ですか。違法の場合、罰則は適用されますか。
七 高度プロフェッショナル制度で、四十八時間連続の労働が必要になるような業務命令を出すことは合法ですか、違法ですか。違法の場合、罰則は適用されますか。
八 健康管理時間は、いつ、どうやって、どんな形で、労働者本人に通知されますか。ある月の健康管理時間は、いつまでに通知されますか。翌月には通知されますか。また、健康管理時間が百時間を超えない場合でも、対象労働者本人に通知されますか。
九 健康管理時間が百時間を超えた場合は、対象労働者が面接指導を受けることは、誰に義務づけられているのですか。もし、対象労働者本人が面接指導を拒否した場合、もしくは先延ばしし続けて実際に指導を受けない場合、高度プロフェッショナル制度の適用は無効となりますか。
十 毎月、健康管理時間が百時間を超えたら、毎月、面接指導を受けなければなりませんか。
十一 高度プロフェッショナル制度で、契約期間が一日間の労働者でも、他の要件を満たせば、適用することはできますか。また、適用する場合の一日間の給与はいくら以上ですか。
十二 十一について、もし対象になるのであれば、事実上、二十四時間連続で労働しなければならないような業務を任せることは、禁止されていますか。禁止されているのであれば、法文のどの規定で禁止されていますか。また、当該規定に抵触した場合、罰則は適用されますか。
十三 高度プロフェッショナル制度で、契約期間が二日間の労働者でも、他の要件を満たせば、適用することはできますか。また、適用する場合の二日間の給与はいくら以上ですか。
十四 十三について、もし対象になるのであれば、事実上、四十八時間連続で労働しなければならないような業務を任せることは、禁止されていますか。禁止されているのであれば、罰則は適用されますか。
十五 高度プロフェッショナル制度で、適用される労働者が、契約の際の目標の業務やノルマを完遂できなかった場合に、給与や報酬を減額することは合法ですか。減額され、実際の年収が高度プロフェッショナル制度の年収要件を下回った場合、高度プロフェッショナル制度の適用は、契約した時に遡って取り消されますか。もしくは、いつから取り消されますか。
十六 健康管理時間が二百時間を超えることは、合法ですか。もし合法なら、なぜ合法なのですか。長時間労働に歯止めがかからないのではないですか。また、医師の面接指導により、業務量や労働時間を減らす場合、その分、給料を下げても合法ですか。もし違法である場合、罰則は適用されますか。
十七 高度プロフェッショナル制度で、健康管理時間が百時間を超えた対象労働者が、過労死をした場合、面接指導をした医師や使用者は、安全配慮義務違反に問われますか。
十八 一般の労働者の過労死の労災認定にあたり、既に給与の支払い対象となっている労働時間であっても、労働基準監督署が、実際には労働していない時間として評価することはありますか。また、このような評価をした件数は、二〇一六年度には何件でしたか。
十九 内閣府や経済産業省では、調査業務等をコンサルティング会社やシンクタンクなどの事業者に委託し、当該事業者のコンサルタントや研究員の労働の成果である成果物の納品を受けた後、実際に担当したコンサルタントや研究員が、当該業務にどれくらい時間を投入したかを、政府の予算が適切に使われているかどうかを精査するため、文書等で確認しています。こうしたコンサルタントや研究員について、政府は、時間と成果との関連性が高いと考えているかと思料します。このようなコンサルタントや研究員は、高度プロフェッショナル制度の対象になり得ますか。また、裁量労働制の対象にはなり得ますか。
二十 高度プロフェッショナル制度では、対象労働者の業務について、顧客からの依頼で業務量が増えることは許容されますか。もし許容されるなら、長時間労働に歯止めがかからないのではないですか。また、対象労働者が、業務を遂行する上でチームの一員である場合、チームの都合により、対象労働者の意にそぐわない時間に打ち合わせ等が設定されることは、合法ですか、それとも違法ですか。違法の場合、罰則は適用されますか。
右質問する。