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平成三十年五月二十九日提出質問第三二八号
食事によるミネラル補給で発達障害が改善する可能性に関する質問主意書
提出者 中島克仁
食事によるミネラル補給で発達障害が改善する可能性に関する質問主意書
NPO法人「食品と暮らしの安全基金」は、九年前から市販食品の主要ミネラルの実測を続けて、市販されている調理済み食品は、家庭で調理した食品よりミネラルが少なくなっていることを「心身を害するミネラル不足食品」(二〇一七年二月号)という資料集で明らかにしている。
それによると、ミネラルが特に少なかったのは水煮食品で、ミネラルの中ではカリウムが特に少なくなっていた。日本食品標準成分表(二〇一五年版)によるとカリウムは百グラム中、皮むき生ニンジンには二百七十ミリグラム、皮むきゆでニンジンには二百四十ミリグラム、冷凍ニンジンは百七十ミリグラム含まれるのに対し、実測調査した水煮ニンジンには二ミリグラムしか含まれていなかったとされている。
カリウムが百分の一ほどに減り、その他のミネラルも大幅に減少した食品を摂取していると、多くの子どもたちに健康障害が生じることになる。
不足したミネラルを食事で補給すると、一生治らないと診断された発達障害の症状がすみやかに改善を始めた子供は、同法人の月刊「食品と暮らしの安全」に掲載されているだけで五十人以上いるとされている。
ミネラルは人体の調整作用を担う重要な栄養素であるのに、市販食品のミネラル含有量が正確に把握されていないことは、子供の健康を害する大問題であることから、以下の四点について質問する。
二 特に水煮食品は早急に検査して、日本食品標準成分表に成分値を載せる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 文部科学省による、平成二十四年に実施した調査では、通常の学級に在籍する小中学生のうち、学習面又は行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性のある者が、六・五%程度在籍しているとされている。最近においても、学習障害や注意欠陥多動性障害などの発達障害を持つ生徒が増加している中、その後もこの割合は増えていると考えられる。平成三十年に、この割合は小中学生の何%になったと推定するか、政府の見解を示されたい。
四 専門家は、発達障害は生まれつき脳の発達が通常と異なっているので、虐待を原因とするもの以外の発達障害は治らないとしている。ところが月刊「食品と暮らしの安全」においては、発達障害児の食事が食事摂取基準を満たしていない場合、基準を満たす食事にすれば、発達障害が改善したとしている。食事によるミネラル補給で発達障害が改善する可能性があるかどうかについて、政府の見解を示されたい。
右質問する。