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平成三十年六月四日提出
質問第三五〇号

原子力発電のコストに関する質問主意書

提出者  日吉雄太




原子力発電のコストに関する質問主意書


 原発は、とてつもなく危険かつ高コストで、深刻な環境悪化をもたらし、世界の潮流は、脱原発である。
 我が国は、福島第一原発事故以降七年間、ほぼ原発ゼロ状態のもと、一日も電力不足の停電に陥っていない。原子力発電量は、二〇一六年で全体の一.七%に過ぎない。
 再び原発の重大事故が発生すれば、国土は壊滅する。それを防ぎ、未だ最終処分場が決まらない核のゴミを、これ以上増やさないためにも、原発ゼロを宣言し、すべての原発を直ちに停止すべきである。
 世界において、原子力コストは急騰する一方、太陽光と風力は加速度的にコスト低下が進み、その累積導入設備容量はすでに原子力発電の二倍を超えている。
 我が国においても、今後の電源は、急拡大する太陽光と風力、潜在能力が高い水力発電・揚水発電所の活用、地熱、バイオマス、及び当面、コンバインドガス火力とすべきである。
 このような現状を踏まえ、以下質問する。

一 二〇一六年十二月、世耕弘成経済産業大臣は、原発コストについて「原発は安い」と発言をされているが、現在もそのような認識でいるのか。
二 日本全国に存在する原子力発電(廃炉決定している施設を除く、四十年廃炉想定)のライフサイクルコストの試算総額合計について、耐用年数四十年を前提に、直接発電コスト(燃料費、減価償却費、保守費、廃炉費など)、政策コスト(研究開発費、立地対策費など)及びバックエンドコスト(使用済み核燃料の処分費など)などに区分した上で、電気料金で賄うものと、国費(税金)で賄うものとに分けて回答を求める。
三 当該総額を発電総量で除した発電単価(kWh当たり)について、回答を求める。
四 福島第一原発事故の事故コスト(賠償費、除染費、事故炉廃炉費など)の総額(支出の実績値と今後の支出の予測値を合算する)について、電気料金で賄うものと国費(税金)で賄うものとに分けて、回答を求める。
五 原発重視の政策を復活させる政府が、「原発は安い」とした方針を堅持するのであれば、本来、採算が取れるはずである。しかし、採算が取れないからこそ、電気料金や税金による国民負担を求めているのが現状である。原発に採算性があるか否か。この点について、明確な回答を求める。

 右質問する。



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