質問本文情報
平成三十年六月五日提出質問第三五二号
送電線問題等に関する質問主意書
提出者 宮川 伸
送電線問題等に関する質問主意書
我が国エネルギーをめぐる諸問題に関連して、次の事項について質問する。
1 安倍政権は原発依存度低減に向けてどのように最大限努力しているのか。
2 安倍政権は再生可能エネルギーの導入拡大に向けてどのように最大限努力しているのか。
二 再生可能エネルギーの導入が進まない理由の一つに送電線へ接続できない問題がある。電力会社は送電線に空き容量がないと言うものの、専門家による最近の調査によると実際には容量の十から二十パーセント程度しか使われていないことが判明している。その理由の一つが、送電線への接続契約について先着順で容量を確保する「先着優先」の考え方がとられていることから、電力会社が原発を優先し、動いていない原発用に容量を確保しているためとされている。
1 現在、送電線の有効利用のために日本版コネクト・アンド・マネージが検討されており、一部四月から実施されている。平成三十年三月二十八日に行われた経済産業委員会で世耕大臣は、東北の北部エリアでは最大一・六倍の容量の電源を新たに接続できるようになると答弁されている。日本版コネクト・アンド・マネージの実施状況は如何か。また、二〇三〇年までに新たにどのくらいの容量を空けることができると見積もっているか。
2 現在、原発用に送電線が空けてあると聞くが、その総容量はいくらで、平均的な出力の原発何基分に相当するのか。また、その容量を再生可能エネルギーに使用した場合、新たにどのくらいの電力量を接続できると見積もられるか。
3 政府のエネルギー基本計画によると、二〇三〇年度の原発比率を二十から二十二パーセントとしているが、原発用に空けてあるとされる送電線の容量は、それに比べて多過ぎないか。
4 東京電力福島第二原子力発電所用に送電線の容量は空けてあるのか。
5 東京電力柏崎刈羽原子力発電所用に送電線の容量は空けてあるのか。
6 原発用として長期間にわたって送電線を無使用の状態で維持することは、社会インフラの有効利用の視点からも適当ではないと思うが如何か。ある一定期間使用していない場合は「先着優先」による権利を無効にするべきと考えるが如何か。
7 再生可能エネルギーの導入拡大のために、再生可能エネルギーを優先的に送電線に接続できるようにすべきと考えるが如何か。
三 政府は、現在見直し作業が行われている第五次エネルギー基本計画(案)の中で、「送電線で他国とエネルギーを共有することが容易にはできない島国である我が国は、常にエネルギー技術という希少資源を開発し確保しなければならない」としている。我が国は南北に長く、気象状況が大きく異なる地域を含んでいるので、地域間の連系線をしっかりと強化すれば、ヨーロッパで行われている他国とのエネルギー交換に近い状況が作れるはずである。
1 東京電力と中部電力の間にある周波数変換設備における地域間連系線の容量は如何か。
2 1の連系線の使用状況は如何か。
3 関東と関西で天気が異なることが多いため、1の連系線を増強することで太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入が拡大できると思われるが如何か。
4 北海道電力と東北電力の間にある地域間連系線の容量は如何か。
5 4の連系線の増強を図っていると聞くが、新たに増強した場合の容量は如何か。
6 5の増強により再生可能エネルギーの導入拡大はどれほどに見込まれるか。
7 その他、地域間連系線の増強に関する現在の計画と政府の考え方に関して説明されたい。特に、二〇三〇年度までに新たに整備され、再生可能エネルギーが使用可能になると見込まれる送電線の全空き容量の概算値はどのくらいか。
四 以上の二及び三の質問を踏まえ、以下質問する。
1 コネクト・アンド・マネージの効果、二〇三〇年度までに空けられる原発分の送電線容量、そして地域間連系線の増強による効果などにより、二〇三〇年度までにどのくらい新たな送電線の空き容量ができる予定か。
2 1の空き容量分を全て再生可能エネルギーが使用した場合、どのくらい新たなエネルギーを得ることができ、それは全使用電力量の何パーセント程度か。
3 二〇三〇年度の再生可能エネルギーの導入量が電源構成比で二十四パーセントを超えた場合は、その分、原発の電源構成比の割合を減らすという理解でよいか。
右質問する。