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平成三十年六月六日提出
質問第三五六号

財務省の公表した調査結果に対する政府の受け止めに関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




財務省の公表した調査結果に対する政府の受け止めに関する質問主意書


 平成三十年六月四日、財務省は学校法人「森友学園」との国有地取引に関する決裁文書の改ざんに関わる調査結果(「本調査」という。)を公表した。
 同日、麻生太郎財務大臣は記者会見し、「行政文書を改ざんし、それを国会に提出することはあってはならないことで、はなはだ遺憾だ。交渉記録について極めて不適切な取り扱いがなされ、改めて深くおわびを申し上げる」と陳謝を表明しつつも、「財務省が担う行政分野の課題について引き続き責任をもって取り組んでいく。私のリーダーシップの下、職員一同が一致団結」するとして、財務大臣の職務を引き続き務める意向を示した。
 また麻生大臣は、「文書改ざんのような行為が全省的かつ日常的に行われていたわけではない。調査結果を踏まえれば、当時の理財局で行われたと考えている」と文書改ざんが組織的であったことを否定し、記者からの、なぜ財務省で決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄が行われたかとの問いについては、「それが分かれば苦労はしない。どうしてそうなったのか、正直分からないところがある」と不誠実な発言を行った。
 本調査によって本質的な問題解決は全くなされていないことは明らかであり、このような観点から、以下質問する。

一 本調査によっては、麻生大臣自身が「それが分かれば苦労はしない。どうしてそうなったのか、正直分からないところがある」と述べているとおり、なぜ財務省で決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄が行われたかの真相究明はなし得なかったという理解でよいか。
二 麻生大臣は、「それが分かれば苦労はしない。どうしてそうなったのか、正直分からない」と発言しているが、なぜ財務省で決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄が行われたかについての解明がなし得なかったのか、その理由を明らかにされたい。
三 麻生大臣は本調査によっても問題解決をなし得なかったのであり、かかる人物が「財務省が担う行政分野の課題について引き続き責任をもって取り組んでいく。私のリーダーシップの下、職員一同が一致団結」したとしても実効性がないことは明らかであり、「二度とこうしたことが起こらないよう、文書管理の徹底など大臣としての職責を全うしていく」との意向を示したとしても、「どうしてそうなったのか、正直分からない」というような認識を持っている限り、再発防止はなし得ない。麻生大臣は速やかに財務大臣を辞任すべきではないか。麻生大臣の見解如何。
四 三に関連して、麻生大臣が辞任しない場合、安倍総理は日本国憲法第六十八条第二項でいう「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる」との規定によって麻生大臣を罷免すべきではないか。また安倍総理は麻生大臣の任命責任についてどのように考えているのか。安倍総理の見解如何。
五 麻生大臣は、「この問題が財務省、行政全体の信頼を損なったということを踏まえて、私自身も閣僚給与の十二カ月分を自主返納」すると発言し、国務大臣の俸給に相当する給与である約百七十万円を自主返納することで責任を明確にすることを表明している。安倍総理は、今回の一連の改ざん等の事案に対し麻生大臣が果たすべき責任として、この約百七十万円の自主返納で十分だと認識しているのか。安倍総理の見解如何。
六 麻生大臣は「文書改ざんのような行為が全省的かつ日常的に行われていたわけではない。調査結果を踏まえれば、当時の理財局で行われたと考えている」と発言しているが、かかる文書改ざんが日常的に行われているとすればそれはそもそも国家公務員法にも反し、かつ犯罪行為であろう。その上で、麻生大臣のかかる発言は理財局の職員が主導して行っているに過ぎず、財務省という組織として行われていないという認識なのか。財務省理財局は財務省内の枢要な組織であり、今回の公文書の改ざんなどは組織的に実施されたものと考えるが、政府の見解如何。
七 麻生大臣の「文書改ざんのような行為が全省的かつ日常的に行われていたわけではない。調査結果を踏まえれば、当時の理財局で行われたと考えている」との見解は、まさに「局あって省なし」と揶揄される霞が関の行政機構の構造的な問題を放置、容認するもので、たとえ理財局の職員が主導して文書改ざんを行っていたとしても、政府の行政組織の運営そのものに関わる問題として受け止めるべきであろう。当該文書改ざんは財務省の一部局の問題ではなく、政府の行政組織全体の問題として受け止めるべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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