質問本文情報
平成三十年六月二十日提出質問第三九八号
加計学園理事長の記者会見についての政府の受け止めに関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
加計学園理事長の記者会見についての政府の受け止めに関する質問主意書
平成三十年六月十九日、学校法人加計学園の理事長(「学園理事長」という。)は岡山市内で記者会見し、愛媛県の文書に記されていた平成二十七年二月の安倍総理との面会について「記憶にもないし、記録にもなかった」と発言した。安倍総理との関係について問われた学園理事長は「総理とは何十年来の友人で仕事の話をすることはやめにしている。獣医学部についても話したことはない」とし、愛媛県の文書に記されていた安倍総理との面会については「記録を調べたところ三年も前のことなので記憶にもないし、記録にもなかった」と述べ、面会はなかったと否定した。
加計学園の事務局長が愛媛県などに対して実際にはなかった学園理事長と安倍総理が面会したと伝えたことについて、学園理事長は、「私が指示したことはなく、事務局長が『こと』を前に進めるために言ったと思われる」と述べ、自ら指示はしていないと発言した。
国会で野党が求める証人喚問については「私が決めることではありませんのでお待ちしております」と発言した。
これらの学園理事長の発言を踏まえ、政府の方針を確認したいので、以下質問する。
二 加計学園の事務局長が愛媛県などに対して実際にはなかった学園理事長と安倍総理が面会したと伝えたことについて、学園理事長は、「私が指示したことはなく、事務局長が『こと』を前に進めるために言ったと思われる」と述べ、自らの指示はなかったとしているが、事実としては関係自治体に虚偽を伝え、国家戦略特区の審査にあたり有利に働くように偽計を巡らせたと考えられる。本件事実は刑法第二百三十三条でいう「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」に該当する、いわゆる偽計業務妨害に相当するのではないのか。政府の見解如何。
三 加計学園の事務局長が愛媛県などに対して実際にはなかった学園理事長と安倍総理が面会したと伝えたことは、学園理事長も「私が指示したことはなく、事務局長が『こと』を前に進めるために言った」と発言しており、かかる事実は国家戦略特区選定にあたり、加計学園が国に対して偽計業務妨害を働いたと解することができる。学園理事長の指示の有無に関わらず、このような偽計業務妨害を目論み、国家戦略特区の選定が有利になるように働きかけたことは、手続きの上で重大な瑕疵ではないか。それとも、政府は平成二十九年六月十九日に安倍総理が記者会見で述べた「半世紀ぶりの獣医学部新設についても、審議に携わった民間議員の皆さんは、プロセスに一点の曇りもないと断言されておられます」とし、従来通りに手続き上、「一点の曇りもない」もので瑕疵はなかったとの見解を変更しないのか。政府の見解如何。
四 平成二十六年、加計学園が経営する千葉科学大学の式典で、「常日頃、加計さんは、時代のニーズに合わせて新しい学部学科の設置にチャレンジしたい」といった旨の意向を学園理事長が持っていることを安倍総理自身が紹介していると承知するが、これは事実か。
五 学園理事長は記者会見で、「総理とは何十年来の友人で仕事の話をすることはやめにしている。獣医学部についても話したことはない」と発言したが、四でいう発言が事実であれば、安倍総理は学園理事長が「新しい学部学科の設置にチャレンジしたい」意向を持っていることを、どの時期に、どのような方法で知ることとなったのかを明らかにされたい。
六 学園理事長は、国会で野党が求める証人喚問について「私が決めることではありませんのでお待ちしております」と発言しているが、国会での審議については国会で決めることが基本ではあるものの、学園理事長自身が国会での証人喚問を受け入れる意向を示していることは重要である。安倍総理は平成二十九年六月十九日の記者会見で「最初に調査した段階では、それらの存在を確認できなかった。二転三転した形となり、長い時間が掛かることとなりました。こうした対応が、国民の皆様の政府への不信を招いたことは、率直に認めなければなりません。信なくば立たずであります。何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしていく」、第二次安倍政権が発足した「四年前の原点にもう一度立ち返り、建設的な議論を行い、結果を出していく。そうした政治が実現するよう政権与党としての責任を果たしてまいります」と述べているが、自民党総裁でもある安倍総理は「政権与党しての責任を果た」すためにも、学園理事長の国会招致を自民党に指示すべきではないか。安倍総理の見解如何。
右質問する。