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平成三十年六月二十一日提出
質問第四〇二号

大規模な地震時の公共交通機関の運行再開基準に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




大規模な地震時の公共交通機関の運行再開基準に関する質問主意書


 平成三十年六月十八日、大阪府北部を震源とする大規模な地震(「本地震」という。)が発生した。本地震の発生にともない関西圏の鉄道各社は鉄道等の運行を速やかに停止し、乗客の避難、鉄道等の施設の点検、余震の発生への警戒等に関して、安全確保に努めた。
 本地震の発生は朝の通勤時間帯と一致し、京阪神地域の鉄道等のダイヤは混乱した。JR西日本と阪急、阪神、近鉄、南海の五社で計約四百十万人に影響し、ほとんどの鉄道路線では運行再開を利用者に知らせるのが直前であったり、実際の運行再開が再三ずれ込んだ。JR西日本は同月二十日、駅間で停車した百五十三本に推定で約十四万人の乗客が車内に閉じ込められていたと発表している。
 このように鉄道各社が運行再開のめどを示さないまま、「運行見合わせ」を続けると、鉄道等の利用者が帰宅手段を選択できず、大量の帰宅困難者が生じることが懸念される。
 関西圏では南海トラフ巨大地震の発生も懸念され、その場合、大阪府下では最大百五十万人の帰宅困難者が発生するとの予想もある。しかしながら、公共交通機関の乗客が再開や運休の情報を早期に入手できれば、ホテルの予約や徒歩で帰宅できるか否かの判断の余地が広がる。本地震でも大阪府は鉄道各社にめどを早く公表するよう求めていたと承知している。毎日新聞の取材に応じた大阪府の幹部は、「鉄道各社には、利用者目線での早期の情報提供を求めたい」と述べている。
 もっとも運行再開の統一的な基準策定は容易ではない。平成二十三年三月の東日本大震災の発災を受け、同年四月に国土交通省は首都圏の鉄道各社と協議会を設置し、震災時の対応について協議したものの、地震による渋滞で点検要員の移動が遅れた際に緊急車両の配備を増やすことなどを検証結果として共有したが、運行再開の統一基準策定には至らなかったと承知している。
 鉄道事業者は揺れの大きさに応じて速度規制や見合わせをすることを独自に取り決めているが、「再開二時間前に公表する」というような統一的な取り決めは存在しない。
 しかしながら、国や鉄道各社が協議し、統一的な運行再開基準を定め、鉄道各社が運休かどうかのめどを早期に公表することは都市部への災害時の人の流入減につながり、二次被害を防ぐ意味でも有効であると思料する。
 このような観点から、以下質問する。

一 地震発生時に鉄道各社の判断で運行を停止した電車等の法令に根拠を持つ運行再開の統一的な基準は存在していないという理解でよいか。
二 本地震では、JR西日本と阪急、阪神、近鉄、南海の五社で計約四百十万人に影響し、ほとんどの鉄道路線では運転再開を利用者に知らせるのが直前であったり、実際の運行再開が再三ずれ込んだ。このように鉄道各社が運行再開のめどを示さない、あるいは利用者に十分な周知を行わず「運行見合わせ」を続けると、鉄道等の利用者が帰宅手段を選択できず、大量の帰宅困難者が生じることが懸念されるが、これに対して政府は統一的な運行再開基準や運行停止状況の公表に関わる基準の策定を検討すべきではないか。政府の見解如何。
三 国や鉄道各社が協議し、統一的な運行再開基準を定め、鉄道各社が運休かどうかのめどを早期に公表することは都市部への災害時の人の流入減につながり、二次被害を防ぐ意味でも有効であると考えるが、政府の見解如何。
四 本地震の避難のために生じた人の移動について、携帯電話のGPS機能などを活用し、その移動状況をビックデータとして把握し解析することで、今後発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下型地震などの発生時における基礎的資料として極めて有効なものとして活用できると思料する。政府は当該データを把握し、地震発生時の人の移動、避難状況の把握に努めるため、携帯電話会社などに公益情報としてかかるデータの提供を求めるべきではないか。政府の見解如何。
五 四に関連して、携帯電話会社にビックデータの提供を求めるためには、現行法令上、問題はあるのか。あるとすれば、どのような法令に該当するのか。政府の見解如何。

 右質問する。



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