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平成三十年六月二十二日提出
質問第四〇六号

政府内の電子メールの保存の方針に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




政府内の電子メールの保存の方針に関する質問主意書


 平成三十年一月二十四日、安倍総理は衆議院本会議で「昨年末の行政文書の管理に関するガイドライン改正に当たっては、紙文書、電子文書の別を問わず、意思決定過程等の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書について、一年以上の保存期間を設定することを義務づけることにより、現在及び将来の国民への説明責任を全うするという公文書管理法の趣旨の徹底を図ったところです。また、どのような文書が公文書管理法の行政文書に該当するかについては、電子メールについても、他の形態の文書と同様、文書の作成又は取得の状況などを総合的に考慮して実質的に判断することが必要であると考えています」と発言している。
 しかしながら、省庁内や省庁間の連絡に日常的に用いられる電子メールの取り扱いについて、安倍総理の指示は明確であるとは言えない。一つ一つの電子メールについて、行政文書にあたるか否かをその文書を作成した者もしくは直属の上司などが判断するのは現実的ではない。このため多くの電子メールが行政文書として扱われず廃棄されている。
 アメリカ合衆国では、国立公文書記録管理局が政府内の全てのメールを最低三年から七年保存し、幹部職員の電子メールについては永久保存する「キャップストーン・アプローチ」という運用を導入している。
 このような観点から、以下質問する。

一 安倍総理は「電子メールについても、他の形態の文書と同様、文書の作成又は取得の状況などを総合的に考慮して実質的に判断することが必要」と発言しているが、具体的には誰が「文書の作成又は取得の状況などを総合的に考慮して実質的に判断する」のか。その文書を作成した者か、その文書作成を行った者の所属する省庁の上司たる課長か、あるいはそれ以外か。政府の見解如何。
二 行政文書の管理に関するガイドラインでは、「例えば、他の行政機関に対する連絡、審議会等や懇談会等のメンバーに対する連絡を電子メールを用いて行った場合は、当該電子メールの内容について、適切な媒体により行政文書として適切に保存することが必要である」と示されているが、それぞれの省庁内での電子メールのやりとりは「適切な媒体により行政文書として適切に保存することが必要」だと考える。政府の見解如何。
三 省庁内や省庁間の連絡に日常的に用いられる電子メールの取り扱いについて、安倍総理の指示は明確ではない。公務員が一つ一つの電子メールについて行政文書にあたるか否かをその者もしくは直属の上司などが判断するのは現実的ではなく、多くの電子メールが行政文書として扱われず廃棄されている。政府内の全てのメールを一年ではなく最低数年保存し、局長級以上の幹部職員の電子メールについては永久保存すべきではないか。政府の見解如何。
四 政府の明らかにしている行政文書の管理に関するガイドライン改正案に対するパブリックコメントへの対応案(平成二十九年十二月二十日、公文書管理委員会配布資料)では、当該ガイドラインに違反した公務員に対する罰則は明示されず、「不適切な公文書管理を行った職員については、事案によっては、国家公務員法(第八十二条)に基づく懲戒処分の対象となる。刑法には、「公用文書毀棄罪」として、公務所で用いる文書を毀棄した者を三か月以上七年未満の懲役に処する旨(第二百五十八条)が規定されている」との説明がなされているが、このような理由により罰則が盛り込まれなかったという理解でよいか。政府の見解如何。
五 財務省による森友文書改ざんの事案を鑑みれば、廃棄したとの国会答弁も改ざんも公文書管理や情報公開の趣旨を完全にないがしろにするもので、国民への裏切りに他ならない。国家公務員法第八十二条や刑法第二百五十八条などの一般法によるのではなく、国の行政に対する信頼性を回復するため、公文書等の管理に関する法律に罰則規定を設け、行政文書の管理に関するガイドラインの実効性を高めることを検討すべきではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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