質問本文情報
平成三十年七月九日提出質問第四三三号
会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告書「各府省庁の災害関連情報システムに係る整備、運用等の状況について」に関する質問主意書
提出者 高木錬太郎
会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告書「各府省庁の災害関連情報システムに係る整備、運用等の状況について」に関する質問主意書
会計検査院は、本年四月、会計検査院法第三十条の二の規定に基づき、各府省庁の災害関連情報システムの整備、運用等の状況について検査を行い、その状況について取りまとめた報告書を衆参両院議長並びに内閣総理大臣に対して提出した。この報告書に関連して、以下質問する。
二 災害関連情報システムを整備、運用等していた十二府省庁六十七システムについて、どのような災害応急対策で使用するかをみたところ、保健衛生・防疫・遺体対策に関する活動、社会秩序の維持・物価の安定等に関する活動、応急の教育に関する活動及び自発的支援の受入れに使用するものは整備されていなかった、とあるが、政府は、その理由をどう考えるか。
三 総合防災情報システムへの災害関連情報十五項目の登録状況について、各指定府省庁及び指定公共機関の情報システムから総合防災情報システムへの自動入力が「津波」「台風」「地震」「電力」「ガス」「河川・ダム」「部隊派遣」の七項目の全部又は一部で行われていたのに対し、「水道」「電話回線」「道路」「鉄道」「被害報」「施設情報」の六項目については、自動入力が全く行われておらず、全て中央防災無線網と接続可能な端末等を利用して手入力をすることになっており、登録が低調となっていた。政府は、その原因をどう考えているか。
四 中央防災無線網の未整備を理由に地方公共団体の情報システムと総合防災情報システムとは接続されていないが、内閣府は、平成二十五年三月に、都道府県の情報システムと総合防災情報システムとの情報連携の取組に関する説明及び周知を行っている。それにもかかわらず、平成二十九年九月時点で、情報連携のための仕様が、未だ試案の段階にとどまっているのはなぜか。
五 総合防災情報システムに登録された災害関連情報の各指定府省庁、地方公共団体、一般国民等に対しての情報提供について、十二省庁において、総合防災情報システムと他の災害関連情報システムの情報連携を行い、自動入力を行う機能が把握されていなかった原因を、政府はどう考えているか。
六 内閣府において、総合防災情報システムに、インターネット経由で一般国民等に情報提供する「防災情報外部配信機能」を整備していたのに、当該災害関連情報を閲覧できるようにしていなかったのはなぜか。
七 平成二十四年度から平成二十九年九月三十日までの間に、災害関連情報システム整備経費の支払額は計三九六億六九五四万余円、災害関連情報システム運用等経費の支払額は計五六六億二三五五万余円、災害関連情報システム整備経費及び運用等経費に係る支払総額は合計九六二億九三一〇万余円となっているが、これだけ巨額の予算が使われていたにも拘わらず、ずさんな運用を会計検査院に指摘されたことを、内閣府として、どのように考えているのか。
八 東日本大震災の翌年、平成二十四年六月に行われた災害対策基本法改正にて、内閣総理大臣が指定する行政機関の長、地方行政機関の長、地方公共団体の長等、内閣総理大臣が指定する公共機関等は、災害に関する情報を共有し、相互に連携して災害応急対策の実施に努めなければならないと定められた。また、中央防災会議においては、指定行政機関等が個々に整備している防災情報システムの相互の連携がとられていない面があり、効果的な防災対策に結び付いておらず指定行政機関等間での防災情報の共有化が必要であるとして、平成十四年十月に「防災情報の共有化に関する専門調査会」を設置して、政府が緊急に推進すべき防災情報システムの整備戦略について検討を行い、平成十五年三月に「防災情報システム整備の基本方針」を決定した。この「基本方針」では、指定行政機関等が共有すべき情報を共通のシステムに集約し、その情報にいずれからもアクセスできる防災情報共通プラットフォームを構築することとされ、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議は、平成十七年十二月に「災害管理業務の業務・システム最適化計画」を策定し、防災情報共通プラットフォームにより防災情報の共有化を図ることとした。さらに、民主党政権下の平成二十二年八月に改定された「災害管理業務の業務・システム最適化計画」では、防災情報共通プラットフォーム等三システムを統合し、総合防災情報システムとして一体的に運用、管理を行うこととされ、平成二十三年五月に総合防災情報システムの運用を開始したわけだが、その後、このシステムは目的通りの運用ができていると内閣府は考えているか。政府の見解を問う。
右質問する。