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令和元年六月二十日提出
質問第二七〇号

オンライン診療の普及促進に関する質問主意書

提出者  松平浩一




オンライン診療の普及促進に関する質問主意書


 二〇一八年三月の診療報酬改定によって「オンライン診療料」、「オンライン医学管理料」等が創設され、厚生労働省により「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が策定されたことにより、二〇一八年四月からオンライン診療が正式に保険適用となった。しかし、実際の利活用においては、様々な制約があり、広く普及するには至っておらず、現状のままでは将来における発展も望めない可能性がある。
 以上を踏まえ、以下質問する。

一 現状、オンライン診療で効率的に再診を行うためには、初診から最初の六ヶ月は同一の医師との対面診療が必要となるうえ、三ヶ月に一度は対面診療が必要とされている。しかしながら、医師が患者の容態を把握し、患者との信頼関係を形成することと、これらの制限との関係性は判然としない。
 オンライン診療が対面診療を補完するものであり、対面診療の必要性の低い患者にはオンライン診療による負担軽減が双方にとって有用であることを考えれば、初診から最初の六ヶ月は同一医師による対面診療を必要とすること及び三ケ月に一度は対面診療を必要とすることは、制度の利用促進を著しく阻害するものである。
 初診については対面診療を義務付けるとしても、その後は医師と患者の合意の下、症状によっては対面診療を必要に応じて取り入れればよいとするなど、より利用しやすい仕組みとすべきであると思料する。
 それをせずに現行制度とした理由、及び現在の政府の検討状況を示されたい。
二 オンライン診療の実施には、「緊急時に概ね三十分以内に当該保険医療機関で対面診療が可能な体制」が必要とされている。そして、厚生労働省が二〇一八年三月三十日に発出した疑義解釈資料によれば、この体制は、「夜間や休日なども含めた緊急時に連絡を受け、概ね三十分以内に、当該医療機関で対面診療が可能な体制が必要である」とされている。
 しかしながら、医師が常駐していない僻地の病院などでは、夜間休日を問わない診療はオンラインでなくとも実現困難である。また、評判の高い医師については、その医療機関から遠距離であっても診療を希望するニーズがあり、オンラインによる診療はまさにこの点で有用性を発揮するはずである。
 1 「緊急時に概ね三十分以内に当該保険医療機関で対面診療が可能な体制」との施設基準は廃止ないし緩和すべきであると思料するが、この基準を導入した理由と、基準を廃止ないし緩和することの検討状況について政府の見解を示されたい。
 2 医師が常駐していない僻地の病院等では夜間休日を問わない診療はオンラインでなくとも実現困難な現状からすれば、少なくとも厚生労働省の疑義解釈を改め、夜間や休日等の対応は初診時に策定する診療計画の中に緊急時の対応(駆けつける病院や診療所等)について定めることで基準を満たしたものとすることが最低限必要であると考えるが政府の見解を示されたい。
三 通常の再診料(電話によるものも含む)の診療報酬点数は七十二点とされ、同じく再診に用いられるオンライン診療料は七十点とされているが、オンライン診療料を対面や電話による再診よりも低く設定する根拠は何か、具体的理由とともに政府の見解を示されたい。
四 医療法第一条の二第二項において、「医療は、(中略)病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(中略)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう。以下同じ。)において、(中略)提供されなければならない。」と規定する。そして、医療法施行規則第一条各号において、@養護老人ホーム、A特別養護老人ホーム、B軽費老人ホーム、C有料老人ホーム、D前各号に掲げる場所のほか、医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であつて、法第一条の二第二項に規定する医療提供施設以外の場所、と定められている。
 1 医療法施行規則第一条第五号に規定する「医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所」には、行政施設(市民会館、公民館、コミュニティセンター等。以下同じ。)は含まれるか政府の見解を明らかにされたい。
 2 行政施設が医療法施行規則第一条第五号に規定する場所に含まれない場合、近隣に病院や診療所が無く、自宅でオンライン診療を利用する環境が整っていない患者がオンライン診療を利用するため、行政施設においてオンライン診療を実施できるように制度改正が必要と思料するが政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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