衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和二年五月二十一日提出
質問第二〇三号

遺品整理サービスの規制の必要性に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




遺品整理サービスの規制の必要性に関する質問主意書


 高齢化の進展や核家族化による独居高齢者の増加等により、遺品整理サービスはここ数年需要が高まっている。
 しかし、国民生活センターには、「高額なキャンセル料を請求されることがある」「作業時に予定外の料金を請求され、最終的に見積金額の二倍の費用を請求された」「処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された」などの相談が寄せられている。また、遺品を搬出する際に部屋の床などを傷つけられたり、残しておく遺品を損壊されたりするなど、遺品整理の作業中に生じた作業員の不手際に関する相談も寄せられている。
 遺品整理サービスは、事業内容によって、遺品のうち廃棄物に整理されたものの「収集、運搬」を行うための一般廃棄物収集運搬業の許可や、遺品のうち古物に該当するものの「買取り」「売却」を行うための古物商の許可が必要である。
 総務省が令和二年三月に公表した「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」では、「『遺品整理サービス』とは、常識的な『遺品整理』の役割を担った者の依頼を受けて、その役割の全部若しくは一部を依頼者に代わって、又は依頼者を支援して行うという役務を提供するサービスである」と定義している。しかし、遺品整理サービスに関する法令上の定義はなく、いわゆる「業法」のようなものもない。そのため、不適切な遺品整理サービスを行う事業者に対する実効的な規制ができていないのが現状である。
 そこで、遺品整理サービスの規制の必要性について、以下質問する。

一 高齢化の進展や核家族化による独居高齢者の増加等により、遺品整理サービスを行う事業者数とともに同サービスに係るトラブルや問題事例も増えている現状に対する政府の認識を示されたい。
二 総務省がまとめた報告書は、調査対象となった消費者庁、環境省、国家公安委員会(警察庁)、経済産業省、国土交通省に参考送付されている。同報告書で把握された遺品整理サービスの実態を踏まえて、政府として、規制の在り方等について、どのように対処すべきと考えているか、今後の方針を具体的に示されたい。
三 遺品整理サービスに係るトラブルや問題事例がみられる中で、現行の一般廃棄物収集運搬業や古物商の許可基準は、不適切な遺品整理サービスを行う事業者を排除するものとはなっていないため、個別に業法を規定して許可制等を導入する必要があると考える。
 第百八十三回国会衆議院法務委員会(平成二十五年三月十五日)においても、遺品整理について法律の制定も含めた検討の必要性に関する質問について、「まだ私も十分考えておりませんけれども、なかなか法律上も難しい問題があるのではないかなと思いますが、これは関係省庁と連携しながら、どういうことを考えていったらいいか、ちょっと今まだ十分お答えはありませんが、検討してまいりたいと思います。」と当時の谷垣法務大臣が答弁している。
 大臣答弁を受けて、法務省をはじめ関係省庁においては検討を進めてきたことと思うが、現在の検討状況について、政府の見解を示されたい。
四 遺品整理サービスについては、規制を強化する必要がある反面、現代社会においてはなくてはならないものである。
 一般廃棄物収集運搬業については、市町村の廃棄物処理計画に組み込まれるため、ごみの減量を推進する市町村においては許可を制限しているところもあると承知している。遺品整理サービス事業者は一般廃棄物収集運搬業の許可を取得して業を行っている事業者が多いが、その許可が取得できないために、サービスを行う地域が限定されるという問題も生じている。
 総務省がまとめた報告書によると、遺品整理に伴い発生した廃棄物に限定して一般廃棄物収集運搬業の許可を付与しているのが四市町村あったとされている。
 違法事業者を排除するためには許可制等を規定した業法を整備する必要があると考えるが、業法を整備するまでの経過措置として、政府において、遺品整理サービスに伴い発生した廃棄物に限定した市町村における一般廃棄物収集運搬業の許可の付与を推進するためのガイドラインを提示するなど、柔軟な対応をとるべきと考える。この点につき、政府の見解を示されたい。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.