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令和二年十一月二十七日提出
質問第四五号

宇宙資源開発及び宇宙空間利用に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




宇宙資源開発及び宇宙空間利用に関する質問主意書


 「最後のフロンティア」とも呼ばれ、今後の重要な成長産業の一つである宇宙関連産業、特に宇宙資源開発及び宇宙空間利用に関して、実効性のある枠組み(多くの国々が参加することで、実際に機能する枠組み)を構築していく上で、日本がどのようにイニシアチブをとっていくのか、現時点で企業の参入にどのような障壁があるか等を明らかにする観点から、以下質問する。

一 一般社団法人日本航空宇宙工業会の航空宇宙産業データベース(令和二年七月)によれば、平成三十年度において日本の宇宙産業の従業員数は九千人弱である。
 1 宇宙基本計画で宇宙を推進力とする経済成長とイノベーションの実現を掲げる中、この現状を十分と考えているか。今後の具体的な目標があれば併せて回答されたい。
 2 人材確保や若い世代の育成、技術継承に向けて、政府は具体的にどのような取組を行っているのか。
二 内閣府が平成三十年四月に公表した海外展開戦略(宇宙)によれば、世界宇宙産業の市場規模は年率五%で成長(二〇〇八年から二〇一四年)しており、現在一・二兆円の我が国宇宙産業全体の市場規模について、二〇三〇年代早期の倍増を目指すとの記載があるが、世界平均程度の成長がなければ市場規模の倍増は困難と考える。航空宇宙産業データベースにおいて、令和元年度の売上高(予測値)が過去三十年間において最高であった平成十年度の売上高を下回る状況下で、どのような戦略でこれを実現できると考えているのか回答されたい。
三 平成二十一年二月五日付の宇宙開発戦略本部事務局資料「我が国の宇宙開発利用における産業の育成方策について」においては、宇宙産業を支える共通的な施策のうち、税制上・金融上その他の措置として中小企業投資促進税制や新規事業支援税(エンジェル税制、ストックオプション税制)等を示した上で、「その他、各省の一般的施策についても、宇宙に限定されてはいないものの、積極的な活用を図る」とされていた。
 1 宇宙関連のベンチャー企業の投資に対する税制優遇策に関する立場・見解に変わりはないか。
 2 経済産業省からの委託を受けてみずほ情報総研株式会社が実施した「令和元年度中小企業実態調査事業(エンジェル税制活用による地方ベンチャー企業活性化に係る調査委託事業)報告書(令和元年十一月)」によると、創業十年未満で二期連続売上高成長率十五%以上の未上場の中小・ベンチャー企業を対象とした調査において、業種ごとのエンジェル税制の認知度は「航空/宇宙」でゼロ%(回収数二〇二件)となっている。前述の市場規模の拡大等の目標達成に向けて、宇宙産業関連企業の支援に関する各種政策の利用状況が十分であると考えるか。
四 近年では、アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区のような国家戦略特区制度や、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)等を活用した支援もなされていると承知している。また、平成三十年三月二十日、安倍総理(当時)は、宇宙ベンチャー育成のため、今後五年間で官民合わせて約千億円のリスクマネー供給を可能とすること等を含む、新たな支援パッケージを発表されたが、現時点でどのような成果を挙げていると考えているか。
五 国連宇宙空間平和利用委員会は、一九六七年から一九七九年にかけて、いわゆる宇宙五条約を作成しているが、条約によって加盟国数に幅があるとともに、一九七九年のいわゆる月協定採択以降は採択されていない。
 1 平成三十年六月七日の宇宙政策委員会の配付資料「軌道上の衛星間衝突事故及び宇宙資源関連活動に関する主な論点」(以下「論点」という。)において、専門家との議論の中で、「国連等の国際的な議論の場において、国際法との整合性を図り国際社会における法の支配の確立を推進するといった外交上の観点、及び、宇宙資源関連活動の将来的な重要性や我が国に先進的な企業・技術が存在していることなどに鑑みた産業振興の観点について、適切なバランスをとりながら戦略的に対応し、国際的な議論をリードしていくべきではないか」との論点が挙げられた旨の記載があるが、こうした指摘に対する政府の見解を明らかにされたい。
 2 本年十月十四日には、我が国を含む八か国が、米国提案の国際宇宙探査「アルテミス計画」を含む広範な宇宙空間の各国宇宙機関による民生宇宙探査・利用の諸原則(宇宙空間の遺産の保全や宇宙活動の衝突回避等)について、関係各国の共通認識を示すことを目的とした「アルテミス合意」に署名する等、個別の取組も進められていると承知している。政府において、民間企業の宇宙資源利用に関する国際的な議論・合意形成に向け、どのような方針の下で活動を行っているか回答されたい。
 3 近年、民間企業においても宇宙開発が盛んに行われているところであり、「ハーグ宇宙資源ガバナンスワーキンググループ」では宇宙の資源利用に係る議論が行われていると聞いている。平成三十一年三月十日付の読売新聞記事によると、同グループに日本政府が参加していないことについて、宇宙政策を担う内閣府の担当者によると「現段階で立場を表明することが、日本にとって得か損か見定める必要があるため」とされているが、事実関係及び同グループの活動に対する現状認識を伺いたい。
 4 また、今後の宇宙での資源開発等に関しては、宇宙資源の所有権等の各国間(認容国・非認容国の事業者間)調整や開発許可の国家間の競合等、利害衝突や法律問題が多発することが予想される。前述の論点においても、「(宇宙条約上、宇宙資源の利用は許されると解釈したとしても、)所有権を取得するまでの手続きやそこから得られる利益の配分方法等については、今後、国際的な議論を行い、必要な枠組みづくりの検討を進めるべきとの意見が国際社会において高まることが想定される」と記載されている。これらについて、対応の検討を進めているか。
六 前述の論点では、我が国ベンチャー企業から宇宙資源関連活動が法制度上認められることを明確にしてほしい旨の要望があることが紹介されているが、民間企業の宇宙資源の探査・開発事業活動に関する法整備について、政府として検討しているか。

 右質問する。

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