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令和四年二月二十一日提出
質問第一七号

介護保険制度における「ケアプランの公正中立性」に関する質問主意書

提出者  阿部知子




介護保険制度における「ケアプランの公正中立性」に関する質問主意書


一 居宅介護支援事業所が作成するケアプランは、特定の事業者に不当に偏ることがないよう「公正中立」が求められる。そのために導入された特定事業所集中減算制度は特定の事業者によって提供されるサービスの割合が八十%を超えて集中している場合、「公正中立」を阻害するものとして、居宅介護支援事業所の基本報酬が二百単位減額される仕組みである。
 しかし、質の高いサービスを提供している事業者や、供給量の少ないサービスを提供している事業者に利用者が集中することは当然であり、一律に「集中減算」することは地域の実態や利用者のニーズを無視した机上の論議と言わざるを得ない。この点について政府の認識を問う。
二 二〇一六年に会計検査院が、この減算について「合理的で有効な施策ではない」、「むしろ一部で集中割合の調整を行うなどの弊害を生じさせる要因となっている」と指摘し、見直しを求めた。この指摘に政府はどのような措置を講じたのか。
三 訪問看護などの医療系サービスでは医師の指示があり、ケアマネジャーの裁量がききにくいという実情がある。「医療・介護連携の推進」が謳われる中で、介護保険サービス受給者の生活実態やニーズにあわせたケアマネジメントよりも、医師の判断が優先される事態が生じるケースについて、政府としてどのように認識しているのか。
四 二〇一六年四月二十二日開催の社会保障審議会・介護保険部会では、出席委員から「中立性・公正性のベースには『ケアマネジャーの独立性』の担保が必要で、報酬の引き上げ」を考慮すべきとの提案があった。
 ケアマネジャーに公正中立を求めるのであれば、併設型ではなく、居宅介護支援事業そのものを独立させるべきであると考えるが、政府の見解を問う。
五 政府は介護保険制度スタート時から居宅介護支援事業所の併設型を認め、居宅介護支援事業の介護報酬を低く設定してきた経緯がある。
 介護関連事業者の経営実態に関しては、過去二十年間、居宅介護支援事業所の収支のみ赤字で推移していることを踏まえ、居宅介護支援事業の安定的な運営の必要性について、政府の認識を示されたい。
六 併設型事業所においては、訪問介護事業等、他の居宅サービス事業の収入を居宅介護支援事業に回し、赤字補てんせざるを得ない経営実態があると聞く。
 そうした経営者において、ケアプランを自社サービスに誘導するのは当然という考え方が横行しているとすれば、そもそも居宅介護支援事業所に併設型を認めた制度の欠陥であり、制度設計に瑕疵があるのではないか。政府の認識を問う。

 右質問する。

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