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令和四年三月三十日提出
質問第三六号

弾道ミサイルと排他的経済水域に関する質問主意書

提出者  緒方林太郎




弾道ミサイルと排他的経済水域に関する質問主意書


 平成二十九年三月十日の衆議院外務委員会において、次のようなやり取りがある。
 ○緒方委員 (略)国連海洋法条約では、排他的経済水域そして大陸棚には主権的権利というのが認められています。主権ではないですけれども、主権的な権利という非常に微妙な言葉が使われているわけでありますが、今回日本のEEZにミサイルが落ちたことによって、私は、実は、日本の主権ではない、だけれども主権的権利というものが侵害をされたのではないですかというふうに、昨日お伺いしました。
 通告がありませんでしたので、きょう再度お伺いをさせていただきます。岸田大臣、いかがお考えでしょうか。
 ○岸田国務大臣 昨日、委員の方から御質問をいただきまして、改めて私も国連海洋法条約を確認してみました。
 そうしますと、国連海洋法条約五十六条の一に、沿岸国はEEZにおいて天然資源の探査、開発、保存及び管理等のための主権的権利を有している、こう記されています。要は、この主権的権利とは、天然資源の探査、開発、保存及び管理、こうしたことを行うことを指していると承知をします。そして、その上で、今度は五十八条の三には、他国のEEZにおいて、沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払わなければならない、こうした規定が設けられています。
 そして、委員の御質問は主権的権利が害されたかどうかということだと思いますが、要は、この条約上、軍事訓練が行われたとしても、妥当な考慮が払われていたならばそれは可能であるとされています。EEZ内で軍事的な訓練を行うということは、これは先ほど言いました天然資源の探査、開発、保存及び管理といったこの権利を害するかどうか、これは判断が大変難しいものがありますが、そうだとしても、条約上は、妥当な考慮が払われていればそれは可能であるというふうに解釈するべきであると承知をしています。
 そして、今回の北朝鮮によって発射された弾道ミサイル、我が国のEEZ内に落下したわけでありますが、これは、何らの事前通報もなかったことを鑑みれば、我が国の権利及び義務に妥当な考慮を払ったとは言いがたい、このように考えるべきであると考えます。
 ○緒方委員 いや、最後の一言がなかったんですけれども、妥当な考慮が払われていなかったことをもって主権的権利が害されたというふうに大臣はお考えですか。
 ○岸田国務大臣 主権的な権利が害されたかどうかというのは大変難しい判断であると聞いております。
 そして、害されたかどうかを判断するよりは、妥当な考慮が払われていたかどうか、これが重要であるというのが、この条約の解釈の仕方であると認識をいたします。これは、軍事訓練であっても事前通報があれば可能であるというのが、この条約における解釈のありようだと承知をしています。
 そのことを考えますと、妥当な考慮が払われたかどうか、これこそ最も重要なことであり、今回は払われていなかった、これはその点で問題であると認識をいたします。
 以上を踏まえ、次のとおり質問する。

一 我が国に事前通報をした上で、その権利及び義務に妥当な考慮を払えば、他国は我が国のEEZ(排他的経済水域)に弾道ミサイルを落下させる事が可能なのか。
二 政府として、上記岸田国務大臣(当時)の答弁で表明された立場を踏襲しているか。

 右質問する。

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