質問本文情報
令和六年六月十二日提出質問第一三七号
政府によるマイナ保険証推進と健康保険証廃止に関する質問主意書
提出者 宮本 徹
政府によるマイナ保険証推進と健康保険証廃止に関する質問主意書
岸田政権は、五月、六月、七月の三カ月間を「マイナ保険証利用促進集中取組月間」として取り組んでいる。マイナ保険証の利用者を増やした病院に最大二十万円、クリニックや薬局に最大十万円の一時金の支給も打ち出している。
こうした中、テレビ朝日の報道で、「処方せんと普通の保険証を出したら、処方せんは受け取ってくれたが、保険証は受け取ってくれなくて。薬局のスタッフから「普通の保険証の受付はできなくなりました」「マイナ保険証のみの受付になります。マイナンバーカードはお持ちですか」と。本当に苦しくて、薬が欲しかったので、しょうがなくマイナンバーカードを、そのときに初めて保険証と紐づけて、受け付けてもらいました。(マイナ保険証を)強制的に使わされた、紐づけさせられたというのが、ちょっと怒りを覚えています」との市民の声が報道された。
また、同じテレビ朝日の報道で「「次回からマイナカードじゃないと後回しになります」と言われた。自分が、一番、最初に来ても、そのあとにマイナカードを持っている人がどんどん来たら、自分は、段々、あとになる。ちょっとした嫌がらせをして(マイナ保険証を)作らせようとしているように感じました。行くのが嫌になっちゃいますけど、持病の特性上、その先生にはかかり続けないといけない」との市民の声も紹介されている。
医療機関・薬局が、マイナ保険証利用者を増やすために、このような言葉で、マイナ保険証でないと不利益が及ぶことを示唆し、患者に働きかけるのは、不適切である。
以上を踏まえて、質問する。
一 「普通の保険証の受付はできません」と医療機関や薬局が対応することは、違法ではないのか。政府は、そのような対応が許されないことを周知徹底すべきではないか。
二 合理的理由もなく、診察順序を受付順から入れ替えて、マイナ保険証利用者を優先にし、健康保険証利用者を後回しにするというやり方は、一般的に適切と言えるか。
三 紹介した報道のような医療機関・薬局の対応の背景には、厚生労働省が、マイナ保険証の利用者を増やした病院等に一時金を支給することや、マイナ保険証の利用を増やすために窓口での声かけを徹底するため「トークスクリプト」という台本を配付していることがあるのではないか。事実であれば、即刻の見直しを求めるが、いかがか。
四 マイナンバーカードの取得は任意であり、マイナンバーカードを保険証として利用するか否かも任意である。政府は、マイナンバーカードの取得を強制されている、あるいは、マイナ保険証の利用を強制されていると感じられるような窓口での働きかけが行われないような手立てを取るべきではないか。
五 厚生労働省は]の公式アカウントで、工事現場に掲げるような黄色と黒色のストライプをつけて、「ご注意ください!本年十二月二日から現行の健康保険証は発行されなくなります」「マイナ保険証を基本とする仕組みに移行します。ぜひお早めに、簡単・便利なマイナンバーカードの保険証利用を始めてみてください」等と発信している。同様のチラシも、作成・配布されている。
「ご注意ください!」とあるが、そもそも何故に注意が必要なのか、意味不明である。厚生労働省の方針では、マイナ保険証がない方には、現在の健康保険証と同じ役割を果たす、資格確認書が発行されることが決まっている。「注意」しなくとも、マイナ保険証を持っていない方には自動的に資格確認書が届くので、十二月二日を境にした、不利益は生じないはずである。
1 厚生労働省が「ご注意ください!」とエクスクラメーションまでつけて、何のために注意を呼びかけているのか、その理由を明らかにされたい。
2 マイナ保険証がない方には、現在の健康保険証と同じ役割を果たす資格確認書が発行されることが決まっているが、これに触れていない理由を明らかにされたい。
3 このような厚生労働省の]の発信内容では、マイナ保険証がない方には、資格確認書が発行されることを記載していないために、不安が広がるだけではないか。資格確認証が発行されることを記さずに、健康保険証の廃止を宣伝するのは、やめるべきと考えるが、いかがか。
右質問する。