質問本文情報
令和七年一月二十四日提出質問第二号
日本航空の運航乗務員による過剰飲酒を原因とする遅延にかかる一部報道に関する質問主意書
提出者 福田 玄
日本航空の運航乗務員による過剰飲酒を原因とする遅延にかかる一部報道に関する質問主意書
日本航空株式会社は、令和六年十二月十日、機長二人による過度な飲酒が原因で同月一日のオーストラリア・メルボルン空港発成田国際空港行きの便で三時間以上の遅れが生じたと発表した。本件について、同社の隠蔽体質を露呈する報道があると聞く。報道などで取り上げられている事実隠蔽ともとられる社内行動が事実であるとするならば、日本航空の経営陣に蔓延する隠蔽体質は日本の空の安全をおとしめる危険性がある故に国の今後の対応について以下質問するものである。
一 FNNプライムオンラインは「日航は当初「国への報告の対象外」とすることや「箝口令を敷く」方針を社長を含めた役員が了解していた」と報じている。
1 右事案が事実であれば、報告の対象外と日本航空が考えた理由もあるやもしれない故に、日本航空の対応について政府の見解如何。
2 そもそも運航乗務員の過度な飲酒が原因による遅延及び今般の事例に認められる乗務前の呼気検査でアルコールの基準値を下回るように意図的に検査実施を遅延させるような行為があったことは、国土交通省に報告する必要がないと考えているのかについて政府の見解如何。
二 本事案では、当該便の客室乗務員が運航乗務員の体調不良に不信を抱き、出発前に日本航空本社に対して意見具申をしているという報道も過去にあったと記憶している。つまり日本航空の実務者の間には、安全への配慮が根付いていると推察される。しかし、意見具申を受けた本社の出発を優先する判断は、乗客の安全を配慮した判断とは言い難いと考える。また、本事案が発生し、事実を把握した経営陣の判断、「箝口令を敷き、また、当該機長が関係者に送付した謝罪メールの削除を命じる」といった右のFNNプライムオンラインの報道が事実であるとするならば、日本航空には深刻な事実隠蔽体質が蔓延していると思われる。他方で、実務の現場における健全な意見具申があったという事実は、安全意識が現場に構築されていると理解できなくもない。となれば、今般の事案の元凶は現場の声を無視する日本航空の経営姿勢に起因するものであると考えられるので、経営陣の刷新を政府として強く勧奨するべきであると考えるが、政府の見解如何。
右質問する。