質問本文情報
令和七年一月二十七日提出質問第七号
電気通信事業者における検閲に関する質問主意書
提出者 原口一博
電気通信事業者における検閲に関する質問主意書
電気通信事業法第三条では「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない」として、検閲の禁止が規定されている。また、同法第六条では「電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない」として、利用の公平が規定されている。
現在、YouTube等の「媒介相当電気通信役務」を提供する電気通信事業者(以下「動画サービス提供事業者」という。)が、ワクチンなど特定のキーワードを含む動画投稿を利用者が行った場合にその動画データを削除する又はそのアカウントを利用禁止とする(いわゆる「BAN」)場合がある。また、特定のキーワードを含んだリアルタイム配信を行ったアカウントを配信後にBANする場合もある。特にワクチンに対する否定的な発言である場合は、その内容が厚生労働省のデータや論文の紹介であっても、動画サービス提供事業者がこれらの行為を行っている。 こうしたことも踏まえ、次の事項について政府に対し質問する。
一 利用者がリアルタイムでの配信を行っている場合に、その配信の内容を動画サービス提供事業者が知り、その配信を即時停止することは、電気通信事業法第三条で禁止されている「検閲」に当たるのではないか(なお、本問に関しては、現時点において必ずしも確認できている行為ではないが、制度上の一般論として、このような行為が行われた場合について質問するものである。一方、次問以降については実際に確認できる行為である。)。
二 利用者によるリアルタイム配信の後、その配信の内容を動画サービス提供事業者が知り、その配信を行ったアカウントをBANする行為は、同法第三条で禁止されている「検閲」に当たるのではないか。
三 アップロードされた動画の内容を動画サービス提供事業者が知り、その内容に応じて動画を削除する又はアップロードしたアカウントをBANする行為は、同法第三条で禁止されている「検閲」に当たるのではないか。
四 特定の内容を含む動画を削除する又はそのアカウントをBANする行為若しくは特定の内容を含むリアルタイム配信を行ったアカウントをBANする行為は、同法第六条で遵守することが求められる「利用の公平」に反するのではないか。また、これらの行為は日本国憲法第二十一条第一項「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に反するのではないか。またYouTubeといった動画配信サービスを行っている動画サービス提供事業者の最大手がこれらの行為を行うことは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律で禁止されている、いわゆる「優越的地位の濫用」に該当するのではないか。
右質問する。