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令和七年一月二十八日提出
質問第二四号

石破総理が提唱したアジア版NATOに関する質問主意書

提出者  原口一博




石破総理が提唱したアジア版NATOに関する質問主意書


 私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一六第二六号)のうち、一の1及び2についての段落を踏まえ、次のとおり質問する。

一 令和四年十二月に策定された国家防衛戦略には、我が国の防衛の基本方針で「我が国の防衛の根幹である防衛力は、我が国の安全保障を確保するための最終的な担保であり、我が国に脅威が及ぶことを抑止するとともに、脅威が及ぶ場合には、これを阻止・排除し、我が国を守り抜くという意思と能力を表すものである。」と記されている。我が国に対する特定の脅威が存在する場合、政府は、当該脅威を阻止・排除するための対策を講じると解釈できると考えるが、当該考えについて、政府の見解を示されたい。
二 多国間の安全保障枠組みとは、当該枠組みの参加国に対する特定の脅威が存在する場合、全部の参加国が共同して、当該脅威を阻止・排除するための対策を講じるものと解釈することは妥当であると考えるが、当該解釈について、政府の見解を示されたい。
三 新たな多国間の安全保障の枠組みを提唱し、枠組みの参加国を募る際、脅威を具体的に提示ないし示唆することが必須の手続と考えるが、石破総理は、令和六年十月八日の参議院本会議において、自らが提唱しているアジア版NATOの創設について、「いずれか特定の国を念頭に置いたものではございません。」と答弁を行い、具体的な脅威の提示を行わなかった。具体的な脅威を明らかにしない多国間の安全保障の枠組みは成立するのか、政府の見解を示された上で、成立した事例があるならば、その枠組みを提示されたい。
四 石破総理は、具体的な脅威を明確にしないまま、新たな多国間の安全保障の枠組み「アジア版NATO」を提唱しており、石破総理は、自身の発言の影響力の大きさを考えることなく、思いつきを語っているようにしか見えない。アジア版NATOが思いつきで語られたものではないのであれば、思いつきではない根拠を示されたい。
五 トランプ米大統領は、次期大統領に就任が確定していた令和六年十二月六日に行われたインタビューにおいて、第一次トランプ政権で脱退を検討したとされるNATOについて残留するかを問われた際、NATOから脱退する可能性を否定しなかったことが報じられている。他方、石破総理は、参加国に同盟国である米国の参加を想定しないアジア版NATOの創設を提唱している。石破総理は、同年十月七日の衆議院本会議において、「日米同盟を基軸に、友好国、同志国の輪を広げ」る旨の答弁を行っているが、アジア版NATOの創設は、日米同盟の緊密な関係を毀損するものではないのか政府の見解を示されたい。
六 憲法第九条を有する我が国は、他の加盟国を防衛することが義務づけられている国際的枠組みには参加することができないが、石破総理が提唱するアジア版NATOについては、将来創設されたときは、我が国は当然にアジア版NATOの創設時から加盟国となることが想定される。我が国が参加する以上、アジア版NATOの設立規定には、他の加盟国を防衛する義務規定が置かれていないことが条件となり、当該規定が置かれないのであれば、他の加盟国を防衛することが義務付けられている本来のNATOとは核心部分において枠組みの性格が大いに異なってくるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
七 石破総理が提唱するアジア版NATOについては、軍事同盟として果たす機能・役割の面において、本来のNATOとは異なるのであるから、「NATO」という用語が使われていることは不適切と考えられる。その結果、石破政権の目指す安全保障政策について、国民の理解促進を阻害することとなっていると思われるが、政府の見解を示されたい。
 
 右質問する。

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