答弁本文情報
令和七年二月七日受領答弁第二四号
内閣衆質二一七第二四号
令和七年二月七日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 林 芳正
国務大臣 林 芳正
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員原口一博君提出石破総理が提唱したアジア版NATOに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員原口一博君提出石破総理が提唱したアジア版NATOに関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「特定の脅威」の具体的に意味するところ及びお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、仮に、我が国が武力の行使を行う場合に関する御質問であるとすれば、令和六年六月十一日の参議院外交防衛委員会において、木原防衛大臣(当時)が「我が国が武力の行使をするためには、武力の行使の三要件を満たす必要がございます。これについても個別具体的な状況に則して判断されるものでありまして、一概にお答えすることは困難でございます。」と述べているとおりである。
二及び三について
御指摘の「多国間の安全保障枠組み」及び「特定の脅威」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、例えば、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第七章においては、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為が行われた場合に国際の平和及び安全を維持し又は回復するため国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)が採ることのできる一連の行動(いわゆる経済制裁措置を含む。)について定めており、これらの一連の行動を総称して講学上集団安全保障の措置と呼ぶことがあるが、この措置は、個別具体的な特定の状況をあらかじめ想定したものではなく、安保理において、個別具体的な状況に基づき採られるものであると承知している。
四について
御指摘の「思いつきを語っている」及びお尋ねの「思いつきではない根拠」の具体的に意味するところが明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。」と述べているとおりであり、また、アジアにおける安全保障の在り方については、現在、自由民主党において議論が行われていると承知している。
五について
御指摘の「石破総理は、参加国に同盟国である米国の参加を想定しないアジア版NATOの創設を提唱している。」の具体的に意味するところが明らかではないが、いずれにせよ、我が国の安全保障政策については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。一国の総理大臣として、まずは喫緊の外交、安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると考えております。日米同盟の抑止力、対処力を強化するとともに、その強靱性、持続性を高めていくとの観点から、また、同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から、検討し対応いたしてまいります。」と述べたとおり、政府として日米同盟を一層強化していく考えである。
六について
四についてで述べたとおり、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりましたが、一朝一夕で実現するとは当然思っておりません。」と述べているとおりであり、また、アジアにおける安全保障の在り方については、現在、自由民主党において議論が行われていると承知しており、お尋ねについて、予断をもってお答えすることは差し控えたい。
七について
四についてで述べたとおり、御指摘の「アジア版NATO」については、例えば、令和六年十月七日の衆議院本会議において、石破内閣総理大臣が「アジア版NATOを含む日本の安全保障の在り方につきましては、これまで私自身の一国会議員としての考えを累次述べてまいりました」と述べているとおりであるが、政府としては、石破内閣の安全保障政策について、国会における政府の答弁を始めとする累次の機会に丁寧に説明してきており、「国民の理解促進を阻害することとなっている」との御指摘は当たらない。