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令和七年三月十一日提出
質問第九二号

高額療養費制度改正についての今後の再検討に関する質問主意書

提出者  山井和則




高額療養費制度改正についての今後の再検討に関する質問主意書


 今後行われる高額療養費制度改正に関する再検討について、政府に対して、以下のとおり質問します。

一 今回の高額療養費の自己負担額の引上げ見合せは、参議院選挙を意識して、選挙で不利にならないための判断、との声も出ている。患者団体からも、「参議院選挙が終われば、再び同じような大幅な負担引上げ案が提案され、強行されるのではないか」との不安の声が出ている。参議院選挙が終わった後の再検討において、当初案と同じような、負担額引上げ案を決めることはないか。
二 秋までの再検討の結果、当初の引上げ案よりは、自己負担額増をかなり抑えた案を目指すのか。あるいは、自己負担額を増やすか、減らすか、その方向性も全く示さないのか。
三 多くの医療の有識者からは、「命にかかわる患者の高額療養費の抑制よりも、もっと先に、軽症の患者の医療費のムダを抑制すべき」との声が強い。ついては、秋までの再検討では、高額療養費のみの医療費の抑制、つまり、自己負担増を検討するのではなく、軽症患者の医療費の抑制等も含め、他の医療費の抑制も含めて議論、再検討すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 石破首相は「秋までの再検討は、患者団体からの意見を真摯に聴きながら進める」「強行はしない」と発言されている。今回のように、患者団体が大反対する自己負担額の引上げ案を、再び強行することはない、ということは、患者団体が反対を表明した案に対しては決定をしない、ということか、それとも、丁寧に患者団体の理解を得るべく努力するが、患者団体が反対を表明した案を決定しない、とは、約束できないということか。
五 患者団体については、秋までの再検討において、単にヒアリングで意見聴取をされるだけでなく、審議会の委員に入って、改革案の決定に正式に参画して頂くべきであると考える。秋までの再検討においては、がん患者団体(一般社団法人全国がん患者団体連合会等)や難病患者団体(一般社団法人日本難病・疾病団体協議会等)などを、高額療養費の改正を検討する審議会の委員に加えるべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
六 再検討の議論のスタートの時期及び、再検討を踏まえた結論の提示の時期について、それぞれ示されたい。また、この再検討は、どのような審議会で審議するのか。
七 再検討では、当初案で示されたとおり、年五千三百億円の医療費の抑制を高額療養費のみで実施するという枠組みは変わらないのか。それとも高額療養費の抑制額として示された五千三百億円自体を縮小する議論も、再検討の議論に含まれる可能性はあるか。
八 高額療養費制度の対象となるがん患者や難病患者等で、秋までの再検討により、逆に、負担額が、当初案より増える患者が出る可能性はあるか。それは、あり得ないか。
九 再検討の審議会には、厚生労働省のがん対策課も担当として関与させるべきと考える。
 1 昨年、高額療養費を議論した社会保障審議会医療保険部会では、厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課や難病対策課は関与したか。もし関与していないなら、なぜなのか。
 2 多くのがん患者や難病患者等の命を左右する議論に、がん・疾病対策課や難病対策課も関与すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
十 再検討を秋までに行うとするのは、来年四月からの高額療養費の自己負担額引上げを目指していることが理由か。また、来年一月からの自己負担額引上げの可能性はあるか。石破首相が「強行しない」「丁寧に議論する」と答弁された以上、患者団体の理解が得られない場合は、再検討案の決定は、秋でなく、冬や来年にずれ込む可能性はあるのか。それとも、患者団体の理解が得られなくても、再検討案は秋にはとりまとめを強行するのか。
十一 高額療養費の自己負担額引上げがこれだけ大議論になった以上、国会閉会中であったとしても、与野党の国会議員の意見も、再検討案の決定前に聞き、参考人質疑も含め、国会審議をすべきではないか。
十二 再検討案は、予算編成までに、与党や野党で党内審査を求めるのか。新年度予算として一括ではなく、今回の引上げ案は、与党により、党内で審査をされたのか。されていないのであれば、与党や野党の党内審査を経ずに、今回のように、自己負担額の引上げ幅を決めるべきではないのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
十三 再検討案の決定までに、がん患者等の家計の状況調査等は行うのか。
 
 右質問する。

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