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令和七年五月八日提出質問第一七七号
融資一体型変額保険被害者の被害の現状に関する質問主意書
提出者 海江田万里
融資一体型変額保険被害者の被害の現状に関する質問主意書
一九九九年十二月十四日、大蔵委員長からの予備的調査命令に基づき、関係省庁、及び各銀行、生命保険会社等からバブル期における銀行、生保など、金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害の実態調査の報告を翌年三月十六日に受けた。その後、二十五年以上経過した今もって、バブル期の銀行による過剰融資、とりわけ融資一体型変額保険の契約者に対する銀行などの過酷な債権回収により、自殺に追い込まれたり、競売により自宅を奪われ、苦しんでいる被害者からの訴えが後を絶たないと承知している。そこで、現時点におけるバブル期の銀行、生保による融資一体型変額保険被害者の被害の現状について、以下政府に対し質問する。
一 本年四月一日現在における金融機関の、住宅ローンを除外した個人への融資の件数と融資総額について、業種単位(銀行、生保など)で、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り示されたい。
二 金融機関が、前記融資をするに当たり、利払い資金を融資していた件数と金額の合計について、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り示されたい。
三 本年四月一日現在ですでに返済期限が到来しているにもかかわらず、返済が完了していない銀行の融資件数と残高について、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り示されたい。
四 近年における金融機関の貸出残高が減少している原因は、新規融資の減少、もしくは完済、債務免除、あるいは保証会社による代位弁済、あるいは債権売却によるものなのか、その主な原因について、政府の見解を明らかにされたい。
五 四において、債務(一部債務)免除したケースは、主たる債務者に対するものか、連帯保証人に対するものか、またそれらの免除した理由について、政府の把握するところを示されたい。
六 一の融資で、担保物件に競売申立をした件数及び被担保債権の額について、政府の把握するところをそれぞれ可能な限り示されたい。
七 本年四月一日現在において、金融機関が、個人への融資に当たり、系列保証会社の保証を付けているのは融資件数のうち、どのくらいの比率になるか、政府の把握するところを示されたい。
八 一般的に、金融機関が、貸金債権を第三者に売却するに当たり、金融機関が得ていた情報を債権売却先に提供していると政府は把握しているか。把握している場合、どのような情報を提供しているか。
九 金融庁が金融サービス利用者相談室を設けることになったいきさつを示されたい。
十 直近年度において、金融庁の金融サービス利用者相談室に寄せられた金融機関、生保に対する苦情相談件数をそれぞれ示されたい。
十一 十のうち、金融庁がこれを取り上げ調査に至ったケースの数を示されたい。
十二 直近年度において、金融庁が、金融機関、生保に行政処分を行った件数をそれぞれ示されたい。
十三 二〇〇九年度以降、金融機関が当事者となった裁判での金融機関の年度単位での平均勝訴率はどのくらいか、政府の把握するところを示されたい。
十四 生保各社が、積立年金保険及び終身一時払い変額保険につき、一九八五年以降、自殺を原因として保険金が支払われた件数及び保険金の額について、政府の把握するところをそれぞれ示されたい。
十五 前記を踏まえ、金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害について、政府の見解を示されたい。
右質問する。