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令和七年五月二十日提出質問第一九三号
証券会社の口座サイト乗っ取り被害といわゆる迷惑メール防止法の執行に関する質問主意書
提出者 松原 仁
証券会社の口座サイト乗っ取り被害といわゆる迷惑メール防止法の執行に関する質問主意書
今年に入り、証券会社のインターネット取引口座が不正アクセスにより乗っ取られ、身に覚えのない株式売買などが行われる被害が相次いで報告されている。昨今、個人投資家が増えるにつれて主流をうかがう、インターネット上の証券取引への信用や国民の資産に深刻な影響を与える問題であると考える。こうした乗っ取り被害の背景には、フィッシング詐欺メールやなりすましメール(スパムメール)を通じたID・パスワードの詐取があると考えられており、営利を目的とした電子メールである特定電子メールの規制が現実の被害防止にどれほど機能しているか問われていると考える。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(以下、迷惑メール防止法)の第五条では、送信者情報を偽ったメール送信を禁止しており、第八条第一項では、国民が総務大臣または内閣総理大臣に適当な措置を求めることができるとされている。また、第三十四条第一号においては、第五条違反のなりすましメール送信者に対する罰則が規定されている。しかし、一般財団法人日本データ通信協会迷惑メール相談センターが公表している統計によれば、本年に入り毎月十万件以上の迷惑メールが探知されているにもかかわらず、実際に処分・検挙された事例は極めて少ないと考えられる。
迷惑メールの発信者への処分・検挙の実態を明らかにし、厳格な取締りを求めるべく、迷惑メール防止法に関連して、以下のとおり質問する。
一 令和五年度および令和六年度において、第五条違反により、送信者が行政処分または刑事処分を受けた事例の件数を、処分の種類(指導、命令、罰金、懲役等)ごとに、それぞれ可能な限り明らかにされたい。
二 同期間の、総務大臣または内閣総理大臣に対して第八条第一項に基づく申出がなされた件数を可能な限り示されたい。また、それに対する政府の対応状況を可能な限り説明されたい。
三 同期間の、迷惑メール相談センターが探知した迷惑メールのうち、実際に政府が捜査した件数を、捜査対象となったケースの内訳(国内送信者・国外送信者)ごとに、それぞれ可能な限り明らかにされたい。
四 同期間の、証券会社をかたるフィッシング詐欺メールについて、政府による発信者への処分実績があればその件数と処分の種類をそれぞれ可能な限り明らかにされたい。
五 証券会社をかたるフィッシング詐欺メールについて、政府が取り組んでいる具体的な対策があれば明らかにされたい。
六 第三十四条に基づく刑事処分が適用された起訴・有罪判決の件数を、令和五年度分および令和六年度分についてそれぞれ可能な限り示されたい。
七 迷惑メール防止法の厳格な執行を確保するために、政府が今後予定している規制強化や新たな対策の具体的な計画があれば示されたい。
右質問する。