質問本文情報
令和七年五月二十日提出質問第一九五号
経営・管理の在留資格に関する質問主意書
提出者 松原 仁
経営・管理の在留資格に関する質問主意書
最近、出入国管理行政について、我が国の健康保険制度の濫用やいわゆる移民ブローカーの存在等、経営・管理の在留資格に関する不法、不適切な行為が広く報道され、現行制度や運用について幅広く疑問の声が届いている。また、このような事態は、合法的かつ適切に在留する外国人への不当な差別を助長するおそれがあり看過できないと考える。
そこでお尋ねする。
一 訪日の主たる目的が我が国の国民健康保険に加入して高額療養費制度を利用することである者が、本邦において事業の経営を行うことが主たる目的であると偽って経営・管理の在留資格を取得することは、不正な手段による在留資格の取得に該当すると考えるが、政府の見解如何。
二 移民ブローカーが、偽りその他不正の手段により在留資格を取得して本邦に上陸することを営利の目的で幇助することは、一般論として出入国管理及び難民認定法に違反する犯罪行為に該当すると考えるが、政府の見解如何。
三 偽りその他不正の手段により在留資格を取得して本邦に上陸することは、一般論として出入国管理及び難民認定法に違反する犯罪行為に該当すると考えるが、政府の見解如何。
四 司法書士会に入会している司法書士でない移民ブローカーが、業として法人設立登記手続について代理することは、一般論として司法書士法に違反する犯罪行為に該当すると考えるが、政府の見解如何。
五 行政書士又は行政書士法人でない移民ブローカーが、業として在留資格取得許可申請書を作成することは、一般論として行政書士法に違反する犯罪行為に該当すると考えるが、政府の見解如何。
六 犯罪収益、犯罪収益に由来する財産又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産(犯罪収益等)を資本金として法人を設立した者は、経営・管理の在留資格を取得することはできるか、政府の見解如何。
七 株式会社日本政策金融公庫総合研究所の二〇二四年度新規開業実態調査によれば、調査対象の開業一年以内の企業千九百九十社の開業費用の平均値は九百八十五万円であった。経営・管理の在留資格の申請に係る事業の規模として、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令が定めた、「資本金の額又は出資の総額が五百万円以上であること」という要件は低きに失すると考えるが、政府の見解如何。
八 我が国で事業の経営を行うには、一般に、高度な日本語能力を有する常勤の職員が従事しているか又は経営に従事する者が高度な日本語能力を有している必要があると考える。事業の経営に従事しようとする者が経営・管理の在留資格の取得を申請するとき、その者又は常勤の職員の日本語能力を証明する書類を提出する必要はあるか。もしも提出が必要でない場合、いかなる理由から提出を求めていないか、明らかにされたい。
九 経営・管理の在留資格の在留期間更新許可申請が、実際には申請に係る事業の経営を行っていないとして不許可になった事例はあるか。あるとするなら、令和五年度及び六年度は何件あったか、それぞれ可能な限り明らかにされたい。
十 我が国の制度が移民ブローカー等に悪用されないよう、経営・管理の在留資格に係る審査については現地調査を徹底すべきと考えるが、政府の見解如何。
右質問する。